公開日: 2026年04月14日
最終更新日: 2026年04月14日
バリアフリー対応オフィスとは?法令・設備・物件選びのポイントを解説

※本記事は賃貸オフィス実務16年・累計1,000件以上の契約実績を持つ専門家が監修しています。
「バリアフリー対応のオフィスに移転したい」「法令上の義務はあるか」——そうお感じの経営者・総務担当者・採用担当者向けに、オフィスのバリアフリー対応の基本を解説します。なお具体的な義務・対応内容は建物の規模・用途・条件により異なります。専門家・行政窓口に確認してください。
バリアフリー法とオフィスへの適用
「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(バリアフリー法)では、一定規模以上の特定建築物(オフィスビルを含む)に対して、バリアフリー整備の義務・努力義務が課されています。
| 区分 | 内容 | 主な対象 |
|---|---|---|
| 整備義務(特別特定建築物) | 新築・大規模改修時にバリアフリー基準への適合が義務付けられる | 病院・店舗・ホテル等(オフィス単独ビルは努力義務が多い) |
| 努力義務(特定建築物) | 床面積2,000㎡以上の建築物は整備基準への適合に努めることが求められる | 事務所(オフィス)ビル等 |
| 任意の整備 | 法令の義務・努力義務範囲外でも、社員・来客への配慮として整備することが推奨される | 全企業 |
※上記は概要です。義務の範囲・内容は建物の規模・用途・新築・改修の別等により異なります。詳細は行政窓口・専門家にご確認ください。
専有部と共用部:テナントが対応できる範囲
賃貸オフィスのバリアフリー対応を考える際は、「専有部(テナントが対応可能)」と「共用部(ビル管理会社依存)」を区別することが重要です。
| 区分 | 場所の例 | テナントの対応可能性 |
|---|---|---|
| 専有部で調整しやすい | 執務エリア内の動線・什器配置・手すり・照明・床材 | テナントが比較的自由に対応可能(C工事) |
| 共用部依存が大きい | エレベーター・共用トイレ・エントランス段差・駐車場 | ビル管理会社への確認・交渉が必要(A・B工事) |
※工事区分はビルにより異なります。入居前に管理会社に確認してください。
オフィスで整備すべきバリアフリー設備
| 設備・対応 | 内容 | 賃貸での確認方法 |
|---|---|---|
| 段差の解消 | 入口・廊下・トイレの段差をなくす・スロープを設置する | 内見時に確認。共用部はビル側の整備状況を確認 |
| 車椅子対応トイレ | 広さ・手すり・ドア幅が車椅子に対応したトイレ | 共用トイレの有無をビル管理会社に確認 |
| エレベーター | 車椅子が乗降できる幅・操作ボタンの高さ | 物件情報・内見で確認 |
| 手すり | 廊下・階段・トイレへの手すり設置 | 共用部はビル管理会社に確認 |
| 点字ブロック・音声案内 | 視覚障がい者への誘導設備 | ビル共用部の整備状況を確認 |
| ドアの幅 | 車椅子が通過できる幅(80cm以上が目安) | 内見時に実測・確認 |
物件選びでのバリアフリーチェックポイント
- □ エントランスから執務フロアまでの段差の有無
- □ エレベーターの有無・サイズ・操作ボタンの高さ
- □ 車椅子対応トイレの有無・場所
- □ 廊下・共用部の幅(車椅子が通過できるか)
- □ 入口ドアの幅・自動ドアの有無
- □ 駐車場の障がい者用スペースの有無
バリアフリー設備は入居後に変更しにくい条件です。障がいのある社員・来客への対応が必要な場合は物件選定の段階で必ず確認してください。耐震性とあわせた建物の安全性については耐震基準の解説記事もご参照ください。用途地域・建物の法令については用途地域とは?もご参照ください。
採用・ダイバーシティとバリアフリーの関係
バリアフリー対応は法令上の義務への対応にとどまらず、障がいのある社員・高齢社員・育児中の社員が働きやすい環境を整えることで、採用力・定着率の向上にもつながります。
- 障害者雇用促進法:43.5人以上の従業員を雇用する事業主には障がい者の雇用義務(2024年時点で2.5%)が課されており、バリアフリー環境の整備は義務履行の基盤になります
- 採用候補者への訴求:障がいのある求職者の採用面接で、バリアフリー対応のオフィスを示すことが採用力につながるケースがあります
- ユニバーサルデザイン:高齢社員・妊娠中の社員・一時的に怪我をした社員にとっても、バリアフリー環境は働きやすさに直結します
よくある質問
賃貸オフィスのバリアフリー対応は誰の義務ですか?
障がいのある社員を採用した場合、オフィスの改修は必要ですか?
車椅子対応のオフィスを探すにはどうすればよいですか?
バリアフリー対応の物件は賃料が高いですか?
スロープや手すりを後付けで設置できますか?
障がい者雇用率の義務はどのくらいですか?
高齢社員が増えている場合、特に注意すべきバリアフリー対応は何ですか?
バリアフリー助成金・補助金はありますか?
🏢 こんな企業にバリアフリー対応オフィスが特に向いています
- □ 障がい者雇用を予定・拡大中の企業
- □ 高齢社員・ベテラン層の比率が高い企業
- □ 来客・商談が多い企業(車椅子利用者の来訪も想定)
- □ 採用広報で「働きやすさ・ダイバーシティ」を訴求したい企業
📎 参考・出典元
| 情報源 | 資料・根拠 |
|---|---|
| e-Gov法令検索 | 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)バリアフリー整備義務の法的根拠として参照 |
| 内閣府 | 障害者差別解消法について(内閣府)合理的配慮の義務・障害者差別解消法の法的根拠として参照 |
| オフィサイト仲介実績 | バリアフリー対応物件に関する社内調査・実務経験(目安) |





