公開日: 2026年04月14日

最終更新日: 2026年04月14日

用途地域とは?オフィス選びへの影響|容積率・建ぺい率・制限の確認方法

用途地域・容積率・建ぺい率とオフィス選びのイメージ

※本記事は賃貸オフィス実務16年・累計1,000件以上の契約実績を持つ専門家が監修しています。

「用途地域や容積率がオフィス選びにどう影響するか分からない」「物件情報に書いてある建ぺい率・容積率の意味が分からない」——そうお感じの経営者・総務担当者・不動産担当者向けに、用途地域・容積率・建ぺい率の基本と、オフィス選びへの実務的な影響を解説します。本記事は参考情報です。個別の規制内容は行政窓口・専門家にご確認ください。

13種類用途地域の区分数(建築基準法による)
容積率延床面積÷敷地面積×100%。オフィスビルの規模に直結
用途制限地域によってはオフィスが建てられない場合がある
📋 この記事でわかること
  • 用途地域の種類とオフィスが建てられる地域・建てられない地域
  • 容積率・建ぺい率がオフィスビルの規模・仕様に与える影響
  • 物件情報の用途地域・容積率の読み方
  • 用途地域がオフィス選びの実務にどう影響するか
  • 用途地域・容積率の確認方法

用途地域とは何か・13種類の概要

用途地域とは、都市計画法に基づき、土地の使い方(用途)を規制するために市区町村が定める区域区分です。建築基準法と組み合わせて、どのような建物を建てられるかを制限しています。

用途地域は全13種類あり、「住居系」「商業系」「工業系」の3グループに分類されます。

グループ用途地域名主な特徴
住居系第一種低層住居専用地域低層住宅中心。オフィスは原則建築不可
第二種低層住居専用地域小規模店舗・事務所は一部可(床面積制限あり)
第一種中高層住居専用地域中高層住宅中心。大規模オフィスは不可
第二種中高層住居専用地域中規模オフィス・商業施設が一部可
第一種住居地域住居とある程度の商業・業務が共存
第二種住居地域住居と商業・業務がより共存しやすい
準住居地域幹線道路沿いで商業・業務施設が立地しやすい
田園住居地域農地・低層住宅の保全が目的。オフィスは原則不可
商業系近隣商業地域近隣の日用品・サービス中心。オフィス可
商業地域高度な商業・業務が集積。オフィスビルが多い
工業系準工業地域中小工場と住居・商業が混在。オフィス可
工業地域工場中心。オフィス用途での建築は制限がある
工業専用地域工場のみ。住居・商業・オフィスは建築不可

※各用途地域での建築可否は建物の用途・規模・条件により異なります。詳細は各自治体の窓口または専門家にご確認ください。

オフィスが建てられる用途地域・建てられない用途地域

賃貸オフィスを探す際、候補物件の用途地域を確認することで、その場所にオフィスビルが建てられる根拠と、将来的な周辺環境の変化リスクを把握できます。

オフィスとの相性該当する用途地域実務上の特徴
◎ 最も適している商業地域・近隣商業地域大型オフィスビルが集積。都心ビジネス街の大半はここ
○ 適している第一種・第二種住居地域・準住居地域・準工業地域オフィス可だが周辺に住居・工場が混在するケースがある
△ 制限あり第二種低層・第二種中高層住居専用地域小規模・低層のオフィスは可だが規模制限がある
✕ 原則不可第一種低層・第一種中高層住居専用・田園住居・工業専用オフィス用途での建築は原則認められない
💡
東京都心(千代田・中央・港・新宿・渋谷等)の大型オフィスビルの多くは「商業地域」に立地しているケースが一般的です。物件情報の用途地域欄が「商業地域」であれば、オフィス用途として支障が少ないケースが多いですが、個別条件により異なります。

容積率・建ぺい率の基本とオフィスへの影響

容積率とは

容積率とは、敷地面積に対する建物の延床面積の割合です。容積率が高いほど、同じ敷地に大きな建物を建てられます。

計算例 敷地面積200㎡・容積率600%の場合 → 延床面積は最大200×6=1,200㎡まで建築可能。つまり各フロア200㎡のビルなら6階建てまで建てられます。
用途地域容積率の範囲(目安)オフィスへの影響
商業地域200〜1300%高容積率エリアほど高層オフィスビルが集積しやすい
近隣商業地域100〜500%中規模オフィスビルが立地しやすい
準住居・第二種住居地域100〜400%低〜中層のオフィスビルが中心になりやすい
第一種低層住居専用地域50〜200%大規模オフィスビルは建てにくい

※容積率の具体的な数値は各自治体・特定地区計画等により異なります。参考値としてご活用ください。

建ぺい率とは

建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積(建物の水平投影面積)の割合です。建ぺい率の制限が低い地域では、建物が敷地を目いっぱい使えず、空地・駐車場・緑地が多くなります。商業地域では建ぺい率80%が多く、オフィスビルが密集しやすいです。

用途地域がオフィス選びに与える実務的な影響

オフィス選びにおいて、用途地域は次の3つの観点で実務的に影響します。

影響の観点内容実務上の注意点
周辺環境の将来性用途地域により、周辺に建てられる建物の種類が決まる。住居地域に近いほど、将来的に高層ビルが建ちにくい長期入居を検討する場合は周辺の用途地域も確認する
賃料・地価への影響容積率が高いエリア(商業地域)ほど地価・賃料が高くなる傾向があるコスト削減を重視する場合は準住居・近隣商業地域も候補になる
業種・用途による制限一部の業種(風俗関連・危険物取扱い等)は用途地域による制限が厳しい特殊な用途でオフィスを使う場合は用途地域を事前確認する
日影・高さ制限住居系用途地域では日影規制・高さ制限があり、低層ビルが多い採光・眺望を重視するなら商業地域の物件が向きやすい

業種・目的別の用途地域の見方(実務参考)

企業の特徴注目すべき用途地域のポイント
採用重視・ブランド重視商業地域の主要ターミナル駅近く。周辺に同規模のオフィスビルが集積しているか確認
来客型業種(コンサル・士業等)商業地域・近隣商業地域。周辺に住居・工場がなくビジネス街の雰囲気があるか確認
倉庫・軽作業を併用したい準工業地域も選択肢。ただし周辺環境・通勤利便性の確認が重要
長期入居・コスト重視近隣商業・準住居地域も候補。将来の再開発・都市計画変更リスクを自治体窓口で確認する

※上記はオフィサイト実務経験をもとにした参考情報です。個別の判断は専門家にご相談ください。

⚠️
用途地域は途中で変更される場合があります。都市計画の変更により周辺環境が大きく変わるリスクがあります。長期で入居を検討する物件では、都市計画の動向を自治体窓口で確認することをお勧めします。

用途地域・容積率の確認方法

物件の用途地域・容積率を確認する方法は主に以下の3つです。

確認方法内容費用・手間
物件情報・重要事項説明書賃貸借契約前の重要事項説明で必ず記載される。仲介会社に確認する無料(契約プロセスで確認できる)
各自治体のGIS・都市計画図自治体の都市計画情報システム(GIS)でオンライン確認できるケースが多い無料(自治体ウェブサイトから)
国土交通省の地図サービス国土交通省「重ねるハザードマップ」等で用途地域を地図上で確認できる無料
自治体窓口(建築指導課等)窓口または電話で住所・地番を伝えれば用途地域・容積率を教えてもらえる無料

耐震基準の確認については賃貸オフィスの耐震基準とは?もあわせてご参照ください。オフィス面積・移転タイミングについてはオフィス面積と移転タイミングもご参照ください。

よくある質問

用途地域はオフィス選びで必ず確認すべきですか?
一般的な商業地域・近隣商業地域のオフィスビルを借りる場合、用途地域の問題が発生することはほとんどありません。ただし①住居系地域に近いエリアの物件、②特殊な業種・用途での使用を検討する場合、③長期入居を検討する場合は確認しておくことをお勧めします。仲介会社・重要事項説明書でも必ず確認できます。
「商業地域」と「近隣商業地域」の違いは何ですか?
商業地域は都市の中心部で高度な商業・業務が集積する地域で、容積率が高く高層ビルが建ちやすいです。近隣商業地域は住宅地に近接した商店街・商業施設が立地する地域で、商業地域より規模が小さく、賃料も比較的抑えられるケースがあります。都心の大型オフィスビルは商業地域が中心です。
容積率が高いと賃料も高くなりますか?
直接の因果関係ではありませんが、容積率が高いエリア(商業地域の高容積率地区)は地価が高く、建設できるビルの規模も大きいため、大型・高品質なオフィスビルが集積しやすく、結果として賃料が高い傾向があります。コスト重視の場合は容積率が中程度の近隣商業・準住居地域のビルも選択肢になります。
用途地域はどこで無料で確認できますか?
各自治体の都市計画GIS(地図情報システム)でオンライン確認できるケースが多いです。また国土交通省の「重ねるハザードマップ」(https://disaportal.gsi.go.jp/)でも用途地域を地図上で確認できます。正確な確認が必要な場合は自治体の建築指導課等の窓口に問い合わせてください。
工業地域にある安いオフィスを借りても問題ありませんか?
工業地域では事務所(オフィス)の建築は可能なケースがありますが、周辺に工場が立地するため騒音・臭気・交通量等の課題がある場合があります。また工業専用地域ではオフィスは原則建築不可です。工業地域・準工業地域の物件を検討する場合は、周辺環境・通勤利便性・業種との相性を確認することをお勧めします。
住居地域の上にあるマンションタイプのオフィスは問題ありませんか?
住居系地域に建つマンション・ビルの一室をオフィスとして賃借すること自体は一般的に認められているケースが多いです。ただし建物の用途・管理規約・オーナーの許可条件によって事務所使用に制限がある場合があります。契約前に用途地域・管理規約・オーナーの条件を確認してください。
用途地域が変わるとオフィスに影響はありますか?
既存の建物・入居中のテナントはすぐに退去義務が生じるわけではありませんが、用途地域の変更により周辺の開発・建築物の種類が変わり、騒音・日照・交通量等の環境が変化するケースがあります。長期入居を前提とする場合は、自治体の都市計画の動向を確認しておくことをお勧めします。
用途地域で「オフィス可」でも、実際に借りられるとは限らないのですか?
はい。用途地域はあくまで「その土地にどんな建物を建てられるか」を定める規制です。実際にオフィスとして賃借できるかどうかは、①建物の用途(事務所用途での建築確認)、②管理規約(マンションタイプの場合、事務所使用を禁止しているケースがある)、③オーナーの貸し出し条件、の3点を別途確認する必要があります。用途地域が「商業地域」でも、管理規約で事務所使用不可の物件もあります。

用途地域は物件スペックだけでなく、将来の周辺環境や賃料水準にも関わります。候補物件の比較時に見落としやすいポイントでもあるため、気になる場合はお気軽にご相談ください。

用途地域・容積率を踏まえた物件選びをサポート

エリアの用途地域・将来の開発動向も含めて、最適な物件のご提案をします。

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📎 参考・出典元

情報源資料・根拠
e-Gov法令検索都市計画法用途地域の法的根拠として参照
e-Gov法令検索建築基準法容積率・建ぺい率・用途制限の法的根拠として参照
国土交通省都市計画制度について用途地域制度の参考として参照

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