公開日: 2026年04月03日

最終更新日: 2026年04月03日

賃貸オフィスのビルグレード完全ガイド|Sクラス・Aクラス・Bクラスの違いと選び方

賃貸オフィスのビルグレード完全ガイド|Sクラス・Aクラス・Bクラスの違いと選び方
4段階ビルグレードの分類数
坪2万〜8万円超グレード別賃料の幅
採用・信頼・BCPグレードが影響する3要素
📋 この記事を読むとわかること
  • Sクラス・Aクラス・Bクラス・Cクラスの定義と具体的な違い
  • ビルグレードが賃料・採用力・企業ブランドに与える影響
  • 自社の成長フェーズ別・業種別のグレード選び方
  • グレードアップ・ダウンのタイミングと判断基準
  • 同じエリアでグレードを下げてコストを抑える実践テクニック

「このビルで大丈夫か?」——移転先のビルを決める際、多くの経営者がビルのグレード(格付け)に悩みます。ビルグレードは単なる外観の話ではなく、賃料・採用競争力・取引先の印象・BCP対応力に直結する経営判断です。本記事では、Sクラスから Cクラスまでの分類基準と、成長フェーズ・業種別の選び方を実務目線で解説します。

注記:ビルグレードに業界統一の定義はなく、不動産会社・エリアによって基準が異なります。本記事では東京都心の一般的な目安として整理しています。賃料相場は当社取り扱い実績ベース(2026年4月時点)の目安であり、エリア・物件・時期により大きく変動します。

ビルグレード4段階の分類基準(東京都心の目安) Sクラス 坪6万円〜 築10年以内 免震・制震構造 大企業・外資向け 丸の内・虎ノ門等 Aクラス 坪4〜6万円 築20年以内 新耐震・高仕様 上場企業・成長企業 渋谷・新宿・品川等 Bクラス 坪2〜4万円 新耐震基準適合 標準設備 中小・スタートアップ 都心・準都心全般 Cクラス 坪2万円以下 旧耐震含む 設備は最低限 コスト重視企業 準都心・郊外 ▲ 東京都心の一般的な目安。業界統一基準はなく、エリア・物件により異なります。
ビルグレード別 賃料・設備水準比較(東京都心・目安) 項目 Sクラス Aクラス Bクラス Cクラス 賃料目安 坪6万円〜 坪4〜6万円 坪2〜4万円 坪2万円以下 耐震性能 免震・制震 新耐震 新耐震(多数) 旧耐震含む 空調 個別空調・高仕様 個別空調 個別or中央 中央空調多い 採用効果 非常に高い 高い 内装次第で◎ 限定的 向いている企業 大企業・外資 上場・成長企業 中小・スタートアップ コスト最優先 ▲ 当社実務経験ベースの目安。業界統一基準はなく、エリア・物件により異なります。

1. ビルグレードとは何か:4段階の分類基準

オフィスビルは一般的に「Sクラス・Aクラス・Bクラス・Cクラス」の4段階に分類されます。ただし業界統一の定義はなく、不動産会社・エリアによって基準が異なる点に注意が必要です。以下は東京都心の一般的な目安です。

グレード 代表的なビル 基準階面積 天井高 設備水準 坪単価目安
Sクラス 丸の内虎ノ門六本木の超高層 500坪以上 2,800mm以上 最高水準・免震・ZEB対応 坪4万〜8万円超
Aクラス 主要エリアの大型ビル 200〜500坪 2,700〜2,800mm 高水準・新耐震・個別空調 坪2.5万〜4万円
Bクラス 準主要エリアの中型ビル 50〜200坪 2,500〜2,700mm 標準水準・新耐震 坪1.5万〜2.5万円
Cクラス 築古・郊外・小規模ビル 〜50坪 2,400mm前後 基本設備のみ 坪1万〜1.5万円
💡 ポイント
  • グレードの判断は「天井高・基準階面積・設備水準・耐震性能・エントランスの質」の5点で総合的に判断してください。
  • 築年数だけでは判断できません。
  • 2000年以降の大規模リノベビルがAクラス相当になるケースも多くあります。
宅地建物取引士のコメント

「Sクラスに移転したい」というご相談は増えていますが、入居審査がとても厳しいのも事実です。財務実績・業種・企業規模の3点が厳しく審査されます。「格好だけでSクラスを選んで審査に落ちた」という事例も多いので、仲介会社に相談して事前にオーナー側の意向を確認することを強くお勧めします。

2. Sクラスビルの特徴と向いている企業

Sクラスビルは、丸の内・虎ノ門・六本木・渋谷ヒカリエ周辺などの超高層複合ビルが代表例です。基準階500坪以上・天井高2,800mm以上・免震構造・ZEB(ゼロエネルギービル)認定・24時間セキュリティが標準装備されています。

Sクラスが適している企業

  • 金融・法律・コンサルなど来訪者の「ビルの信頼感」が契約に影響する業種

  • 上場企業・IPO準備中で企業ブランド強化が必要な段階

  • 外資系企業やグローバル企業の日本法人として格式が求められる場合

  • BCP・セキュリティを最重視する業種(金融・医療・政府系)

⚠️ ⚠️ 重要 Sクラスビルは賃料の高さだけでなく、退去時の原状回復費用も高額になりやすい傾向があります。入居前に原状回復の範囲・スケルトン返却の有無を必ず確認してください。

3. Aクラスビルの特徴と向いている企業

Aクラスビルは成長企業が最も多く選ぶグレード帯です。渋谷・新宿品川・天王洲など主要エリアの200坪以上の大型ビルが該当します。設備水準が高く、採用活動でのアピール力もありながら、Sクラスと比較してコストを抑えられます。

Aクラスが適している企業

  • 50〜300名規模でブランド力と賃料のバランスを重視する成長企業

  • 採用競争が激しいIT・スタートアップ・コンサル系企業

  • クライアント訪問が多く、エントランスの印象が重要なBtoB企業

4. Bクラスビルの特徴と向いている企業

Bクラスビルは東京都心の最も多数を占めるグレード帯で、実務効率と賃料のバランスが最も優れています。新耐震基準を満たした50〜200坪規模のビルが多く、内装次第でAクラス相当の執務環境を実現できます。

Bクラスが適している企業

  • 10〜100名規模でコスト効率を最優先にしたい企業

  • クライアント訪問が少なく、内部の業務効率を重視する企業

  • スタートアップ・中小企業の実務拠点として最適

💡 回避策
  • BクラスビルでもAクラス相当の内装を施すことで「外部はB・内部はA」という戦略が可能です。
  • 内装工事費をセットアップオフィスで節約し、浮いた資金を採用・マーケティングに回す企業が増えています。

グレードより重要なこと|Bクラスで十分な会社の特徴

ビルグレードは重要ですが、すべての企業にSクラス・Aクラスが必要なわけではありません。以下の条件に当てはまる企業は、Bクラスでも採用・ブランド・業務効率の観点で十分な場合があります。

💡 Bクラスで十分な会社の特徴
  • ・来客対応よりも社員の働きやすさを重視している
  • ・採用ターゲットがオフィスブランドよりもミッション・仕事内容で選ぶ層
  • ・フルリモート・ハイブリッド勤務でオフィス出社率が低い
  • ・内装に投資してオフィス環境を独自に作り込む方針がある
  • ・コスト削減分をプロダクト開発・採用費・給与に回したい

逆に「取引先への印象」「採用ブランド」「上場審査での信頼性」が重要な企業はAクラス以上を検討する価値があります。グレードは手段であり、目的ではありません。

5. Cクラスビルの特徴と注意点

Cクラスビルは築30年以上の旧耐震・小規模ビルが多く含まれます。賃料は最も安価ですが、耐震性能・設備の老朽化・インターネット回線の引き込み困難などのリスクがあります。入居審査でCクラスのビルが取引先に与える印象にも注意が必要です。

⚠️ ⚠️ 旧耐震ビル(1981年以前の建築確認)は現在の耐震基準を満たしていません。賃料の安さだけで判断せず、耐震診断の有無・耐震補強工事の実施状況を必ず確認してください。

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6. グレード別・業種別の選び方ガイド

業種・状況 推奨グレード 主な理由
金融・法律・コンサル S〜Aクラス 来訪者への信頼感・ブランド力が必須
IT・スタートアップ(採用強化期) A〜Bクラス 採用競争力と賃料のバランス
EC・バックオフィス系 B〜Cクラス 来客少・内部効率重視でコスト最適化
IPO準備中企業 Aクラス以上 投資家・監査法人への印象管理
外資系日本法人 S〜Aクラス 本社基準・グローバルブランド維持
10〜30名の中小企業 B〜Aクラス 実務効率と適正コストのバランス
宅地建物取引士のコメント

グレードダウンを検討されているお客様には必ず「採用コスト」との比較試算をお勧めしています。Aクラスから Bクラスに移転して賃料を月50万円削減したとしても、採用の応募数が落ちて採用単価が上がれば差し引きマイナスになることがあります。グレードの変更は「賃料だけの話」ではなく、経営全体の話として考えてください。

7. グレードアップ・ダウンのタイミング

グレードアップを検討すべきタイミング

  • 採用応募数が伸び悩み、オフィス環境が影響していると感じるとき

  • 上場準備・シリーズB以降で投資家・金融機関との接点が増えるとき

  • 大手企業との取引開始でビルの格式が必要になったとき

グレードダウンを検討すべきタイミング

  • 在宅勤務定着で出社率が50%以下になり、現オフィスが過剰になったとき

  • 固定費削減が経営課題となり、賃料が月次売上の15%を超えるとき

  • バックオフィス機能を分離・外注化してコア業務に集中したいとき

8. 同じエリアでグレードを賢く下げる方法

「エリアはキープしながらコストを抑えたい」場合、同一エリアの一本裏通りにBクラスビルが存在することが多く、賃料を20〜40%削減できます。内装に投資することでエントランス以外はAクラス相当の環境を実現できます。

💡 ポイント
  • 駅から2〜3分遠くなるだけでも坪単価が5,000〜10,000円下がるケースがあります。
  • 通勤アンケートで社員の許容範囲を事前に把握した上で、エリア内の「一歩引いた立地」を積極的に検討してください。

9. 状況別ネクストアクション

🎯 あなたの状況別ネクストアクション
Sクラスに移転したい まず丸の内・虎ノ門エリアの非公開物件を確認。入居審査が厳しいため財務資料を事前整備し、仲介会社経由で申込むことを推奨
Aクラスへのグレードアップを検討中 現在の賃料と採用コストの合計で費用対効果を試算する。採用1人あたりのコストが下がるなら移転投資が正当化できる
コスト削減でBクラスへ移行したい 退去の解約予告期間(通常6ヶ月)を確認し、現契約の残存期間と移転費用を試算してから判断する
グレード選びに迷っている 業種・従業員数・来客頻度・採用目標をオフィサイトに相談。最適グレード帯の物件を無料で提案

10. まとめ

ビルグレードは単なる「格好」の問題ではなく、採用力・信頼性・BCP・賃料のすべてに影響する経営判断です。自社の成長フェーズ・業種・来客頻度・財務状況を総合的に判断し、3〜5年後の姿を見据えたグレード選びを行ってください。迷ったときはオフィサイトの仲介担当にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

ビルグレードの分類はどこが決めているのですか?

業界統一の機関が定める公式基準はなく、不動産会社・エリア・時代によって分類基準が異なります。一般的にSクラス・Aクラス・Bクラス・Cクラスの4段階で分類されますが、同じビルでもA・Bの判断が分かれるケースがあります。天井高・基準階面積・設備水準・耐震性能・エントランスの質の5点で総合判断してください。

スタートアップはどのグレードのビルを選ぶべきですか?

採用強化フェーズであればAクラス以上を、コスト効率を優先するフェーズであればBクラスが最適です。BクラスビルでもAクラス相当の内装を施すことで「外部はB・内部はA」という戦略が可能です。採用1人あたりのコストと賃料増加分を試算して判断することを推奨します。

Aクラスビルの賃料相場はいくらですか?

東京都心の主要エリア(渋谷・新宿・品川等)のAクラスビルは坪単価2.5万〜4万円が目安です。建築年数・設備水準・エリアによって大きく変動します。フリーレント交渉次第で実質的な賃料を10〜20%削減できるケースがあります。

旧耐震ビルはグレードが下がりますか?

旧耐震ビルは一般的にBクラス以下に分類されます。ただし耐震補強工事(Is値0.6以上)を実施し、大規模リノベーションを行ったビルはBクラス相当として扱われるケースもあります。入居前に耐震診断結果の開示を求めてください。

グレードダウンすると取引先の印象は悪くなりますか?

取引先が定期的に来訪するBtoBビジネスでは一定の影響があります。ただし内装・エントランス演出・対応の質でカバーできるケースが多く、BクラスビルでAクラス相当の内装を施した企業で「取引先から良い印象を持ってもらえた」という声も多くあります。

参考・出典元

本記事の法令・制度に関する記載は下記の官公庁・行政機関等の公式情報を参考としています。ビルグレードの分類基準・賃料相場・設備水準は当社実務経験(2026年4月時点)に基づく目安であり、業界統一基準はなくエリア・物件により異なります。

情報源資料・ページ名 / 参照内容
国土交通省不動産業統計集(オフィスグレード・市場動向)東京都心オフィスのグレード別賃料・空室率の市場データ
国土交通省建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)ビルグレードと耐震性能の関係・Sクラスビルの耐震基準の根拠
公益財団法人 日本不動産研究所市街地価格指数・オフィス市場動向調査エリア・グレード別オフィス賃料相場の統計参考
当社実務経験ビルグレード別の賃料相場・設備水準・採用効果・企業選定の傾向株式会社アドマイアー(オフィサイト)の実務案件をもとにした2026年4月時点の傾向。業界統一基準はなく、エリア・物件により異なります。
📚 関連記事もあわせてご覧ください
▶ オフィスの個別空調と中央空調の違い|移転前に確認すべきポイントと費用 ▶ 賃貸オフィスのOAフロアとは?高さの種類・メリット・選び方 ▶ オフィスの24時間利用と時間制限ビルの違い

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