公開日: 2026年04月02日

最終更新日: 2026年04月02日

賃貸オフィスのOAフロアとは?高さの種類・メリット・選び方を解説

賃貸オフィスのOAフロアとは?高さの種類・メリット・選び方を解説
100mm前後標準的なOAフロアの高さ
配線自由度UPOAフロア最大のメリット
改修工事費発生OAフロアがない物件のリスク
📋 この記事を読むとわかること
  • OAフロアの定義・構造・機能の基礎知識
  • OAフロアの高さ別(50mm・100mm・150mm以上)の違いと用途
  • OAフロアがある物件とない物件の実際のコスト差
  • IT機器が多い企業・少ない企業それぞれの選び方
  • OAフロアなし物件での配線対策(モールカバー等)

「OAフロア対応」——賃貸オフィスの物件情報でよく目にするこの表記、正確に理解できていますか?OAフロアはIT機器を多数使用する現代のオフィスには欠かせない設備ですが、高さや仕様によって使い勝手が大きく変わります。本記事では、OAフロアの基礎から物件選びの実践ポイントまで解説します。

宅地建物取引士のコメント

「OAフロアと書いてあるけど高さが50mmしかない」という物件を選んで後悔されるお客様が時々います。50mmはLANと電源の基本配線は入りますが、将来の増設には苦しくなることが多いです。IT機器を多く使う企業は「OAフロア100mm以上」を必須条件にして物件を絞ることをお勧めします。

1. OAフロアとは何か:基本的な仕組み

OAフロア(OA Floor)とは、コンクリートスラブ(床の構造体)の上に一定の空間を設けて二重に床を作る構造のことです。「フリーアクセスフロア」とも呼ばれます。この床下空間にLANケーブル・電源ケーブル・空調ダクトなどを自由に配線できるのが最大のメリットです。

項目 OAフロアあり OAフロアなし
配線方法 床下に自由配線 モールカバーや天井裏配線
レイアウト変更 容易(床パネルを外すだけ) 工事が必要
見た目 スッキリ(ケーブルが見えない) モールが露出
工事コスト(初期) 物件に標準装備 後付け工事:坪2〜5万円
主な採用ビル 新耐震の中〜大型ビル 築古・小規模ビル

2. OAフロアの高さ別:50mm・100mm・150mm以上の違い

OAフロアには高さの種類があり、配線の収容量・工事の自由度・コストが変わります。物件情報の「OAフロア100mm」などの数値が何を意味するのか理解しておきましょう。

高さ 収容可能な配線 主な用途 採用ビル
50mm以下 薄型・基本的なLAN・電源のみ 軽度なIT環境 Cクラス・小規模ビル
100mm前後 LAN・電源・空調ダクト(目安) 一般的なオフィス Bクラス標準
150〜200mm 大容量配線・空調・消火(目安) 大規模・IT集約型 Aクラス・データセンター
200mm以上 サーバー室・機器室用途 IT企業・金融機関 Sクラス・専門ビル
💡 ポイント
  • PC1台あたり最低2本(LAN・電源)のケーブルが必要です。
  • 20名のオフィスでPC・ディスプレイ・IP電話を設置すると60〜80本のケーブルが床下を走ります。
  • 一般的にOAフロア100mm前後を選ぶと、将来の増設にも対応しやすい傾向があります(ビル仕様・配線量により異なります)。
宅地建物取引士のコメント

内見時に「床パネルを1枚外して見せてください」とお願いすることがあります。床下の状態を見ると、配線の収容量・清掃状態・既存テナントの使い方がわかります。仲介会社に依頼すれば多くの場合対応してもらえますので、ぜひ確認してみてください。

3. IT機器が多い企業に特に重要な理由

エンジニアリング・デザイン・動画制作・金融・医療などIT機器の多い企業にとって、OAフロアの有無は業務効率に直結します。

  • デスクトップPC・高性能ワークステーションを多用する企業は電源容量とOAフロア高さが重要

  • 社内サーバーを設置する企業は、一般的な目安として150mm以上のOAフロアを選ぶとレイアウト変更が容易なケースが多いです(設備内容・配線量により異なります)

  • 会議室・応接室が多い企業は配線の引き回しやすさがOAフロアで大きく改善

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4. OAフロアなし物件での対応策

賃料や立地を優先してOAフロアなしの物件を選ぶ場合でも、以下の対策でケーブル問題を軽減できます。

対策①:モールカバーの設置

床面にケーブルカバー(モール)を設置してケーブルを保護・整理する方法です。コストは低いですが美観と清掃性が低下します。

対策②:天井裏配線

天井裏にLANケーブルを通す方法で、内装工事時に合わせて実施すると比較的低コストです。レイアウト変更には追加工事が必要です。

対策③:ワイヤレス化(Wi-Fi・無線LANの活用)

LANケーブルをWi-Fiに置き換えることで物理配線を大幅に削減できます。ただし機密情報を扱う業種はセキュリティ強化設定に十分な注意が必要です。

💡 回避策
  • OAフロアなし物件に入居する場合、初期費用にモール工事・天井配線工事コスト(坪1〜3万円)を必ず見込んでください。
  • この費用込みで比較すると、OAフロアあり物件の方がトータルコストで有利なケースが少なくありません。

5. 内見時に確認したいOAフロアのチェックポイント

物件内見時にOAフロアを正しく評価するには、以下のポイントを確認してください。仲介会社に依頼すれば床パネルを外して確認できるケースが多くあります。

確認項目確認のポイント
床パネルの取り外し確認実際に1枚外してもらい、床下の配線状態・清掃状態を目視確認
有効高さの実測カタログ値ではなく実際の有効高さを確認(既存配線で減っている場合あり)
配線の引き込み位置電源・LAN・電話の引き込み口の位置とレイアウト計画との整合性
既存配線の残置状況前テナントの配線が残っていないか(撤去費用が発生する場合あり)
耐荷重サーバー・大型機器を設置する場合は床の耐荷重を管理会社に確認

6. 状況別ネクストアクション

🎯 あなたの状況別ネクストアクション
IT機器が多くOAフロアを重視したい 物件情報の「OAフロア○○mm」を確認し、100mm以上を優先。不明な場合は仲介会社経由で管理会社に確認
OAフロアなし物件への入居を検討中 内装工事見積もりにケーブル配線対応コストを加算してから総コスト比較
現オフィスの配線が乱雑で困っている 退去・移転のタイミングで配線整理を実施。OAフロアあり物件への移転を優先検討
テレワーク中心でOAフロアの必要性が低い OAフロアなしでも可。Wi-Fi環境の充実・回線速度を優先して確認

7. まとめ

OAフロアは「あると便利」ではなく、IT機器の多い現代のオフィスでは「なければ配線コスト・工事費・業務効率に影響する」重要な設備です。物件選定時に高さ・収容量を確認し、自社のIT環境に合ったビルを選ぶことが、移転後の快適な執務環境につながります。

よくある質問(FAQ)

OAフロアとフリーアクセスフロアは同じものですか?

はい、同じものです。「OAフロア」「フリーアクセスフロア」「二重床」は同じ床構造を指す異なる呼び方です。床下空間にケーブルを自由に配線できる二重構造の床のことを指します。

OAフロア100mmとは何を意味しますか?

床の構造体(コンクリートスラブ)から仕上げ面までの高さが100mmあることを意味します。この空間にLAN・電源・空調ダクトなどのケーブルを収納します。100mm以上あればLAN・電源・空調ダクトの三種類を無理なく収納でき、一般的なオフィス用途に十分な高さです。

OAフロアなしのオフィスに後から設置できますか?

技術的には可能ですが、既存の床の上に後付けする場合はB工事(ビル指定業者工事)となり、費用が坪5万〜10万円程度発生します。また床が高くなるためドアの開閉に支障が出るケースもあります。コストを考えると、最初からOAフロアのある物件を選ぶ方が合理的です。

テレワーク中心でOAフロアは必要ですか?

テレワーク中心で出社人数が少ない場合でも、会議室・サーバールーム・共用設備の配線管理でOAフロアは有効です。ただし全員リモートで実質的な執務機能が少ない場合は、OAフロアなしのシェアオフィスやサービスオフィスの方がコスト効率が高い場合があります。

OAフロアの高さが低いと何が困りますか?

50mm以下の低いOAフロアでは収容できるケーブルの量が限られ、大量のLANケーブル・電源ケーブルを配線すると床下が満杯になります。将来の機器増設・レイアウト変更が困難になるため、IT機器の多い企業は100mm以上を選ぶことを推奨します。

参考・出典元

本記事の法令・制度に関する記載は下記の官公庁・行政機関等の公式情報を参考としています。OAフロアの高さ別特徴・費用相場・内見チェックポイントは当社実務経験(2026年4月時点)に基づく目安であり、ビルの仕様・配線量・契約内容により異なります。

情報源資料・ページ名 / 参照内容
e-Gov 法令検索(総務省)建築基準法 第2条(建築物の定義・床の仕様)OAフロア設置に関わる建築基準法上の床の定義
経済産業省省エネルギー法(建築物の省エネ基準)OAフロアを含むオフィス設備の省エネ基準の根拠
国土交通省建築物のバリアフリー化推進(段差解消・OAフロア対応)OAフロアの段差解消・バリアフリー配慮の根拠
当社実務経験OAフロア高さ別の特徴・内見チェックポイント・費用相場株式会社アドマイアー(オフィサイト)の実務案件をもとにした2026年4月時点の傾向。個別のビル・仕様により異なります。

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