公開日: 2026年04月13日

最終更新日: 2026年04月13日

テレワーク併用企業のオフィス面積の決め方|出社率別の適正坪数と計算方法

テレワーク併用企業のオフィス面積を計算するビジネスパーソンのイメージ

※本記事は賃貸オフィス実務16年・累計1,000件以上の契約実績を持つ専門家が監修しています。

本記事は、テレワーク(在宅勤務)を導入・継続している企業の経営者・総務担当者向けに、出社率に応じたオフィス面積・席数の具体的な計算方法を解説しています。

出社率×1.2倍席数設計の基本公式(目安)
1〜1.5坪/人オフィス面積の一般的な目安
3か月以上面積判断に必要な出社率の計測期間
📋 この記事でわかること
  • テレワーク併用時の適正面積・席数の計算式
  • 出社率20〜100%別のシミュレーション(30名・50名・100名モデル)
  • フリーアドレスと固定席で変わる必要面積の考え方
  • 会議室・共用スペースを含めたトータル面積設計
  • 面積を間違えた場合の修正コストと対処法

適正面積の計算式と考え方

テレワーク併用企業のオフィス面積を決める際は、「全員分の席を用意する」という前提を外すことが出発点です。重要なのはピーク出社人数を基準にした設計です。

📐 基本計算式(オフィサイト実務目安)
必要席数 = 在籍人数 × ピーク出社率 × 安全係数(1.1〜1.2)
必要面積(坪)= 必要席数 × 1人あたり坪数(1〜1.5坪)+ 共用スペース

※上記は当社仲介実績ベースの参考値であり、法定基準ではありません。業種・レイアウト・会議室比率により大きく異なります。

各変数の考え方

変数内容目安・考え方
ピーク出社率最も出社人数が多い日の出社率平均出社率より10〜20%高く設定するのが一般的な傾向
安全係数急な出社増加・来客・採用に備えた余裕1.1〜1.2倍が実務上多く見られる水準(業種・成長速度による)
1人あたり坪数執務スペース1席あたりの面積一般オフィス:1〜1.5坪、クリエイティブ系:1.5〜2坪が目安
共用スペース会議室・受付・休憩・通路等執務スペースの30〜50%を加算するケースが多い
💡
「平均出社率」ではなく「ピーク出社率」を基準にすることが重要です。全社会議・月初・週初など出社が集中する日に席が足りなくなると、社員満足度・生産性に直結します。

出社率別シミュレーション

以下は当社実務経験をもとにした参考シミュレーションです。実際の面積は物件・レイアウト・業種により大きく異なります。必ず個別に試算してください。

出社率別・適正席数・面積シミュレーション(参考目安) 出社率 30名・席数 30名・面積 50名・席数 50名・面積 100名・席数 100名・面積 20% 7〜8席 約10〜15坪 12〜13席 約18〜24坪 24〜26席 約36〜48坪 40% 14〜16席 約21〜29坪 24〜26席 約36〜48坪 48〜53席 約72〜96坪 60% 20〜22席 約30〜39坪 34〜37席 約51〜66坪 66〜72席 約99〜108坪 80% 26〜29席 約39〜52坪 44〜48席 約66〜86坪 88〜96席 約132〜144坪 100% 30席 約45〜60坪 50席 約75〜100坪 100席 約150〜200坪 ※安全係数1.2倍・1人あたり1〜1.5坪換算・共用スペース含まず。業種・レイアウトにより大きく異なります ※あくまでオフィサイト実務経験をもとにした参考目安です。必ず個別にお問い合わせの上ご確認ください
▲ 出社率別・適正席数・面積シミュレーション(参考目安)

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フリーアドレスと固定席の違い

テレワーク併用時の席数設計は、フリーアドレス(自由席)か固定席かによって大きく変わります。それぞれの特徴を理解した上で自社に合った方式を選ぶことが重要です。

比較項目フリーアドレス固定席
席数の考え方出社率×安全係数で圧縮可能原則として在籍人数分が必要
面積削減効果出社率60%なら約30〜40%削減も可能テレワーク導入しても面積変わらない
必要な設備ロッカー・席予約システム・充電設備個人棚・モニター等の個人専用設備
向いている職種営業・企画・IT・クリエイティブ系経理・法務・カスタマーサポート系
注意点「自分の場所がない」不満が出やすいテレワーク導入の恩恵が面積に反映されにくい
宅地建物取引士のコメント

フリーアドレスで面積を削減するケースは増えていますが、「全席フリー」にしたことで社員の帰属意識が下がったという相談もよくあります。チームエリアを設けるなど「ゾーン型フリーアドレス」を採用し、完全フリーアドレスとの中間を取る企業が増えています。面積だけでなく、社員満足度への影響も含めて設計することをお勧めします。

会議室・共用スペースの面積設計

テレワーク併用時のオフィスは、出社する目的が「集中作業」から「対面コミュニケーション・MTG」にシフトします。そのため会議室・コラボレーションスペースの比率を高めることが重要です。

スペース種別テレワーク前の比率テレワーク併用後の推奨比率
執務スペース(デスク)60〜70%40〜55%
会議室・MTGスペース10〜15%20〜30%
コラボ・ラウンジ5〜10%15〜20%
個室ブース・集中スペースほぼなし5〜10%
受付・通路・その他10〜15%10〜15%

※上記比率は当社仲介実績ベースの参考値であり、法定基準ではありません。業種・組織構成により大きく異なります。

POINT テレワーク併用オフィスで増やすべきは「個室型Web会議ブース」です。在宅参加者と対面参加者が混在するハイブリッドMTGでは、防音性の高い個室ブースが不足しがちです。席数を削減した分の一部をブース設置に充てることで、実質的な生産性が上がるケースがあります。

よくある計算ミスと対処法

よくあるミス内容対処法
平均出社率で計算する月曜・全社会議日などピーク時に席が足りなくなるピーク出社率(最大値)で計算する
共用スペースを忘れる席数分の坪数だけ計算し、会議室・通路を考慮しない執務面積に30〜50%を加算して総面積を算出する
成長を見込まない現在の人数で計算し、半年後の採用増で手狭になる12〜18か月後の想定人数で計算する
テレワーク率が変動することを無視出社率が戻った際に席が不足する3か月以上の出社率データを計測してから判断する
縮小しすぎる固定費削減を優先しすぎて将来の拡張コストが増大現在より1〜2割余裕を持った面積を確保する
⚠️
テレワーク導入直後は出社率が一時的に低下することが多く、その数値だけで面積を決めると過度な縮小につながるリスクがあります。少なくとも6か月以上の出社率推移を確認してから面積を決定することを当社では推奨しています。

面積見直しのステップ

STEP BY STEP

① 出社率の計測(3〜6か月)

週次・月次の出社人数を記録し、平均・最大・最小を把握する

② ピーク出社率の確定

記録した最大出社率に10〜20%の余裕を加えてピーク出社率を設定する

③ 必要席数の計算

在籍人数 × ピーク出社率 × 安全係数(1.1〜1.2)で必要席数を算出する

④ 総面積の計算

必要席数 × 1〜1.5坪(執務面積)に共用スペース30〜50%を加算する

⑤ 将来の成長余白を加える

12〜18か月後の想定人数で再計算し、縮小・拡張の方針を決定する

⑥ 物件探し・条件交渉

算出した面積・坪数を条件に物件を絞り込み、フリーレント等の条件交渉を進める

増床・縮小の判断基準についてはオフィスの増床・縮小タイミングの判断基準もあわせてご参照ください。ハイブリッドワーク全体のオフィス設計についてはハイブリッドワーク対応オフィスの作り方をご参照ください。

よくある質問

出社率が週によって大きく変動します。どう計算すればよいですか?
最低3か月分の出社率データを収集し、最大値(ピーク)・平均値・最小値を把握してください。面積設計はピーク値を基準にし、そこに安全係数(1.1〜1.2倍)を掛けることで、変動があっても席が不足しにくい設計になります。変動が大きい場合は、不足時に対応できるよう近隣のコワーキングスペースとの併用も検討する価値があります。
30名の会社でテレワーク週3日の場合、何坪必要ですか?
週3日出社(出社率60%)の場合の参考計算例(オフィサイト実務目安):必要席数 = 30名 × 60% × 1.2 = 約22席。執務面積 = 22席 × 1.2坪 = 約26坪。共用スペース(40%加算)= 約11坪。合計目安:約37坪前後。ただし業種・会議室数・レイアウトにより変動するため、あくまで参考目安としてください。
フリーアドレスにすると何%面積を削減できますか?
出社率に依存しますが、出社率60%でフリーアドレスを導入した場合、固定席・全員出社前提の面積から30〜40%程度削減できるケースがあります。ただしロッカー・席予約システム・個室ブース等の設備投資が必要なため、削減効果と設備コストを合わせてトータルで判断することが重要です。削減幅は業種・レイアウト・運用方針によって大きく異なります。
会議室は何室必要ですか?
一般的な目安として、10〜15名に1室程度が参考になるケースが多いです。ただしテレワーク併用時はオンラインMTGが増えるため、防音個室ブース(1〜2名用)を多めに設けることが重要になるケースがあります。会議室稼働率が80%を超えている場合は会議室不足のサインです。稼働率データを定期的に確認することをお勧めします。
縮小移転で面積を減らしたが、出社率が戻ってきた場合はどうすればよいですか?
短期的には近隣のコワーキングスペース・シェアオフィスを一時利用することで対応できるケースがあります。中長期的には増床交渉(同一ビル内の空きフロアを借り増す)か、移転を検討することになります。縮小移転の際は、将来の拡張可能性を考慮してフロア増床交渉ができる物件を選ぶことをお勧めします。
1人あたり坪数の業種別目安を教えてください。
オフィサイト実務経験上の参考目安です。一般事務・IT系:1〜1.2坪/人、営業・コンサル系:1.2〜1.5坪/人、クリエイティブ・デザイン系:1.5〜2坪/人、製造・開発系(機器が多い):2坪以上/人。ただしこれはあくまで参考値であり、レイアウト・機器・会議室比率により大きく変動します。
テレワーク率を上げてオフィスを縮小したいのですが、いつ動けばよいですか?
現在の契約の解約予告期間(通常6か月前)を逆算し、テレワーク導入後6か月以上の出社率データが蓄積されたタイミングが理想的です。データが蓄積される前に縮小すると、適正面積の判断を誤るリスクがあります。出社率が安定した段階で面積計算を行い、物件探し・契約・移転まで6〜12か月のスケジュールで計画することをお勧めします。

出社率は把握できても、実際に何坪の物件を見るべきか迷う企業は少なくありません。条件整理から一緒に進めることで、物件探しがぐっとスムーズになります。

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📎 参考・出典元

情報源資料・根拠
国土交通省不動産市場動向調査(オフィス市場)オフィス面積・坪単価の市況参考データとして参照
厚生労働省テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドラインテレワーク運用の法的根拠・ガイドラインとして参照
オフィサイト仲介実績テレワーク併用時の面積設計・席数計算に関する社内調査・実務経験(目安)

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公開日: 2026年04月13日

最終更新日: 2026年04月13日

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