公開日: 2026年04月05日

最終更新日: 2026年04月05日

賃貸オフィスの電気容量・アンペア数の確認方法|IT機器が多い企業向け完全ガイド

賃貸オフィスの電気容量・アンペア数の確認方法|IT機器が多い企業向け完全ガイド
30〜60A/坪一般的なオフィスの電気容量目安(当社実務経験より)
容量不足IT機器が多い企業で起こりやすい移転後トラブルの一つ
増設工事B工事で高額になるリスク
📋 この記事を読むとわかること
  • オフィスの電気容量の基本概念(アンペア・キロワット・電圧)
  • 自社に必要な電気容量の計算方法
  • 物件の電気容量を確認する3つの具体的な方法
  • 電気容量不足が発覚した際の対処法とコスト
  • サーバー・高性能機器を多く使う企業向けの電気環境チェックリスト

「移転したらブレーカーが頻繁に落ちるようになった」——IT機器・高性能ワークステーション・サーバーを多数設置する企業で起こりやすいトラブルです(当社実務経験より)。電気容量の確認を怠ると、移転後の増設工事(B工事)で数十万〜数百万円の追加コストが発生します。本記事で内見前に必ず確認すべき電気容量の知識を解説します。

宅地建物取引士のコメント

電気容量の確認を怠って移転したお客様から「ブレーカーが頻繁に落ちる」という相談を受けることがあります。内見時に「受電容量(kW)を書面で教えてください」とお願いするだけで防げるトラブルです。IT機器の多い企業は物件選定の必須条件に電気容量の数値確認を加えてください。

1. 電気容量の基本概念

用語 意味 オフィスでの目安
アンペア(A) 電流の量。ブレーカーの最大値 100〜300A(規模による)
キロワット(kW) 消費電力。A×V÷1000で換算 10〜60kW(規模・用途による)
電圧(V) 単相100V・200V、三相200V等 一般機器100V、サーバー・エアコン200V
電気容量(VA) V×Aで表す最大供給電力 オフィス全体の供給上限
契約電力(kW) 電力会社との契約上限値 使用機器の合計から設定
主要IT機器の消費電力目安(20台設置時の合計) 機器 1台あたり(目安) 20台合計(目安) ブレーカー換算 デスクトップPC+モニター 150〜250W 3,000〜5,000W 30〜50A相当 ノートPC 30〜65W 600〜1,300W 6〜13A相当 複合機(コピー機) 300〜1,500W ※台数少・容量大 専用回路が必要 サーバー(タワー型) 200〜500W ※台数少・24時間稼働 専用回路が必要 ▲ 一般的な目安。機種・使用状況により異なります。実際の契約前に必ず電気設備の専門家に確認してください。
▲ 主要IT機器の消費電力目安(20台設置時の合計)

2. 自社に必要な電気容量の計算方法

まず使用する機器の消費電力をリストアップし、合計消費電力(kW)を算出します。これに1.25〜1.5倍の余裕係数を掛けた値が必要電気容量の目安です。

機器の種類 消費電力の目安
デスクトップPC(一般) 150〜300W/台
ノートPC 30〜100W/台
高性能ワークステーション 400〜800W/台
サーバー(ラックマウント型) 300〜800W/台
モニター(27インチ程度) 20〜50W/台
コピー機・複合機 500〜2,000W/台
IP電話機 5〜15W/台
エアコン(個別・業務用) 2,000〜10,000W/台
💡 ポイント
  • 20名のオフィスでデスクトップPC20台・モニター20台・複合機2台・エアコン3台を稼働させると合計15〜25kW程度の消費電力になります。
  • これに1.3倍の余裕を持たせると必要容量は20〜32kW。
  • 物件の供給容量がこれを下回る場合は増設が必要です。

3. 物件の電気容量を確認する3つの方法

方法①:物件資料・設備図面での確認

仲介会社を通じて「電気設備図面」または「設備概要書」を入手し、「受電容量」「契約電力」「幹線容量」を確認してください。多くの場合kVAまたはkWで表記されています。

方法②:管理会社・ビルオーナーへの直接確認

内見時または内見前に仲介会社経由で「テナントへの電気供給容量(kW)」と「増設の可否・工事費の目安」を書面で確認してください。「電気容量は十分です」という口頭回答だけでは不十分です。

方法③:電力会社への照会

受電契約種別・容量は、まず物件オーナーまたは管理会社への確認が実務上は自然です。電力会社への直接確認は物件オーナーの同意が必要な場合が多く、仲介会社経由で確認を依頼するのが確実です(当社実務経験より)。

⚠️ ⚠️ 重要 電気容量の増設工事(受変電設備の増強・幹線工事)はB工事(ビル指定業者)に該当することが多く、工事費が高額になりやすいです。内見前に容量を確認し、必要な増設工事費を移転初期費用に含めて総コスト比較してください。
宅地建物取引士のコメント

サーバーを多数設置する企業には「三相200Vが引き込まれているか」を必ず確認するようお伝えしています。三相200Vがないビルへの引き込み工事は数十万〜数百万円かかることがあります。この確認を怠ると移転後に高額の電気工事が必要になる可能性があります。

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4. サーバー・高性能機器を使う企業向けチェックリスト

  • 受電容量(kVA・kW)が自社必要電力の1.3倍以上あるか

  • 三相200V電源が引き込み可能か(機器構成により必要になる場合あり)

  • UPS(無停電電源装置)設置スペースの確保

  • 非常用発電機の有無と容量

  • テナント専用の配電盤・ブレーカーの有無

  • 将来の増設(電気容量アップ)の可否と費用感

5. 電気容量不足が発覚した場合の対処法

内見後または契約後に電気容量不足が発覚した場合、以下の選択肢を検討してください。

選択肢①:幹線工事・分電盤増設(B工事)

ビル指定業者による幹線工事で容量を増設します。費用目安は50万〜300万円(規模により異なる)。工事期間は1〜3週間程度です。

選択肢②:使用機器の省電力化

高消費電力の機器をエネルギー効率の高い機器に置き換えることで、必要電力を削減します。サーバーのクラウド移行が特に有効です。

選択肢③:別物件への切り替え

増設コストが大きい場合は、電気容量が十分な物件に切り替えることも有力な選択肢です。

6. 状況別ネクストアクション

🎯 あなたの状況別ネクストアクション
サーバーや高性能PCが多い 物件の受電容量を kW 単位で書面確認。自社消費電力の合計×1.3 倍が必要容量の目安
電気容量不足が心配な現オフィス まず管理会社・オーナーに現在の受電容量と増設可否を確認。必要に応じて電力会社への照会を依頼
移転先の電気容量を確認したい 仲介会社(オフィサイト)経由で電気設備図面の開示を依頼
ブレーカーが頻繁に落ちる 消費電力の合計を計算し、受電容量と比較。増設工事または機器の省電力化を検討

7. まとめ

電気容量の確認は、IT機器が多い企業にとって移転後に見落としやすい確認項目の一つです。「受電容量(kW)が自社必要電力の1.3倍以上あるか」を物件選定の必須条件として設定し、内見前に書面で確認する習慣をつけてください。

よくある質問(FAQ)

オフィスの電気容量はどこで確認できますか?

まず仲介会社経由でビル管理会社に「テナントへの電気供給容量(kW)」を書面で確認依頼してください。また電気設備図面(受変電設備図)を入手することで詳細な容量を確認できます。電力会社(東京電力等)に物件住所で照会する方法もあります(オーナーの同意が必要な場合あり)。

アンペアとキロワットはどう換算しますか?

単相100Vの場合:kW=A×100÷1000 三相200Vの場合:kW=A×200×√3÷1000で換算します。例えば単相100V・200Aの場合は20kWです。IT機器の消費電力はW(ワット)表記が多いため、1kW=1,000Wで換算してください。

電気容量の増設工事はいくらかかりますか?

受変電設備の増強・幹線工事はB工事(ビル指定業者)になることが多く、50万〜300万円程度が目安です。工事規模・ビルの構造・増設容量によって費用が大きく変わります。移転前に管理会社に増設の可否と概算費用を確認し、移転初期費用に含めてトータルコストで比較してください。

サーバーを設置する場合に特別な電気設備は必要ですか?

サーバーや周辺設備の構成によっては、200V系統や専用回路の確認が必要になる場合があります。また常時稼働を前提とする場合はUPS(無停電電源装置)の設置も検討が必要です。機器構成が確定したら、物件に三相200Vが引き込まれているか・UPS設置スペースがあるかを内見前に確認してください。

ブレーカーが頻繁に落ちる原因と対策は?

よくある原因の一つが「契約容量に対して消費電力が超過している」ことです。まず現在使用している機器の消費電力の合計を計算し、契約電力と比較してください。対策は①電力会社との契約容量アップ(最も簡単)、②省電力機器への交換、③機器の使用タイミングを分散させる、の3つです。

参考・出典元

本記事の法律・制度・費用に関する記載は、下記の官公庁・行政機関等の公式情報を参考・根拠としています。

情報源資料・ページ名 / 参照内容
経済産業省電気事業法(電気設備の技術基準・受変電設備)オフィスの受変電設備・電気容量に関する法的規制の根拠
e-Gov 法令検索(総務省)電気事業法 第40条・第56条(電気工作物の技術基準)受変電設備・電気工作物の技術基準適合義務の根拠
経済産業省省エネ法の概要(エネルギー管理・電力使用量の報告義務)大規模オフィスの電力使用管理・省エネ義務の根拠
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