公開日: 2026年04月02日

最終更新日: 2026年04月02日

オフィス移転のITインフラ整備ガイド|ネットワーク・電話・セキュリティの移設手順と注意点

オフィス移転のITインフラ整備ガイド|ネットワーク・電話・セキュリティの移設手順と注意点
6ヶ月前IT準備の開始目安
1〜3ヶ月通信回線開通の所要期間
業務停止ゼロ移転成功の目標
📋 この記事を読むとわかること
  • ITインフラ移設のタイムライン(いつから何をすべきか)
  • 物件選定時に確認すべきITインフラのチェックポイント
  • ネットワーク・電話・セキュリティ別の移設手順
  • クラウドPBX・テレワーク対応の2026年最新トレンド
  • よくある失敗例と防ぐための具体的な対策

移転のITインフラ整備でよくある失敗のひとつが「光回線工事の申込みが遅れて移転当日に業務が止まる」ケースです。本記事では逆算スケジュールから各工事の手順まで実務ベースで解説します。

宅地建物取引士のコメント

移転のご相談で最も多い後悔が「通信回線の申込みが遅かった」です。物件が決まった翌日には申込んでほしいくらいです。特に古いビルで光回線が未引き込みの場合、開通まで3ヶ月以上かかることがあり、移転当日にインターネットが使えない状況になってしまいます。

1. ITインフラ移設の全体タイムライン

時期 主なアクション
移転確定直後(3ヶ月以上前) 光回線の工事申込み(開通まで1〜3ヶ月かかるため最優先)
2〜3ヶ月前 ITインフラ設計・LAN配線設計・電話システムの方針決定(クラウドPBX移行の検討)
1〜2ヶ月前 B工事・C工事の区分確認・見積もり取得・セキュリティ機器の発注
2〜4週間前 LAN配線工事・OAフロア工事(C工事)の着工
移転1週間前 回線開通確認・各機器の接続テスト・バックアップ回線(4G/5Gルーター)の準備
移転当日 サーバー・NASの移設・全端末の動作確認・旧オフィスの回線解約手続き
⚠️ ⚠️ 最優先事項 光回線の工事申込みは移転確定後すぐに行ってください。建物への引き込み工事が必要な場合は1〜3ヶ月かかることがあります。当社への相談案件でも、IT回線の遅延が原因で移転当日に業務が止まったケースが複数ありました。申込みと同時に4G/5Gルーターをバックアップとして準備することを推奨します。

2. 物件選定時のITインフラ確認チェックリスト

物件選定の段階で以下を管理会社に書面で確認します。

  • 光回線(NTT・NURO等)の引き込み済みか。未引き込みの場合は工事可否と期間を確認

  • 受電容量(kW)はサーバー・IT機器の使用に十分か

  • MDF室の場所と、フロアへの配線がB工事かC工事かを確認

  • 既存のLAN配線・OAフロアの有無と状態

  • セキュリティカードの仕様(入退館管理システムとの連携可否)

3. ネットワーク環境の移設手順

工程 内容 B/C工事の区分
回線引き込み 建物への光ファイバー引き込み・MDF室への接続 B工事(ビル指定業者)が多い
フロア内LAN配線 MDF室からフロアへの幹線・各デスクへの末端配線 C工事(自社発注可)が多い
Wi-Fi設置 APの設置位置設計・電波環境の測定 C工事
ルーター・スイッチ設定 ネットワーク機器の設定・VLAN設計 自社または委託
💡 ポイント
  • 💡 💡 費用削減のポイント MDF室からフロアへの配線工事はB工事として扱われるケースが多いですが、フロア内の配線はC工事として発注できる場合があります。
  • 入居前に工事区分を書面で確認し、C工事部分を競合他社で相見積もりすることで費用を大幅に削減できます。
  • 当社への相談案件でも、工事区分の確認によって費用が削減されたケースが複数あります。
宅地建物取引士のコメント

移転を機にクラウドPBXへ切り替えるお客様が増えてきています。物理機器の搬送が不要で、スマートフォンから会社番号で発着信できるため、テレワーク中でもオフィスにいるように対応できます。初期費用も従来型PBXより大幅に抑えられるため、まず一度比較検討することをお勧めしています。

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4. 電話・PBXの移設手順とクラウドPBXへの移行判断

移転は電話システムを刷新する絶好のタイミングです。

比較項目 従来型PBX(オンプレミス) クラウドPBX
移転時の費用 機器の移設・再設定で30〜100万円 設定変更のみ(0〜数万円)
月額コスト 保守費用が別途発生 月額費用(1ユーザー1,000〜3,000円程度)
テレワーク対応 オフィスの固定電話のみ スマートフォン・PCで着信可能
拡張性 増設に追加機器が必要 ユーザー追加がオンラインで即時

移転を機にクラウドPBXへ切り替えると、移転コストの削減とテレワーク対応の両立が実現します。当社への相談案件でもクラウドPBXへの移行を機に月額固定費が削減されたケースが増えています。

5. セキュリティシステムの整備

セキュリティ項目 推奨事項
入退館管理 ICカード・スマートロックを活用。入退記録をログで管理
監視カメラ エントランス・サーバー室・出入口をカバー。録画保存期間を設定
情報漏洩対策 クリーンデスクポリシー・PCの暗号化・VPN整備
サーバー室の空調・電源 UPS(無停電電源装置)の設置・温湿度管理の整備

6. 状況別ネクストアクション

🎯 あなたの状況別ネクストアクション
物件選定中 光回線引き込み済みか・MDF室の位置・B/C工事区分を管理会社に書面で確認する
契約後すぐ 光回線工事を申込む。IT設計・LAN配線設計を並行して開始する
電話システムの移行を検討中 クラウドPBXの費用対効果を試算。移転タイミングで切り替えることでコスト削減と機能向上を同時に実現

7. まとめ

ITインフラ移設の成否は「光回線工事を3ヶ月前に申込む」「B/C工事区分を事前確認する」「クラウドPBXへの移行を検討する」の3点で決まります。移転当日に業務が止まる最悪の事態を防ぐために、スケジュールの最初にIT工事を組み込んでください。

よくある質問(FAQ)

通信回線の申込みはいつまでにすればよいですか?

移転の4〜5ヶ月前には必ず申込んでください。光回線の新規引き込みには工事完了まで1〜3ヶ月かかるケースがあります。申込みが遅れると移転当日にインターネットが使えない事態になります。物件が決まったその日に申込むくらいの意識が必要です。

物件選定時にITインフラで確認すべきことは何ですか?

光回線が引き込み済みかどうか・MDF室(主配線盤)の場所・対応通信事業者・フロアの電気容量(アンペア数)・携帯電話の電波状況を必ず確認してください。特に光回線未引き込みの物件は開通まで2〜3ヶ月以上かかることがあり、移転スケジュールに大きな影響を与えます。

クラウドPBXとは何ですか?従来型PBXと何が違いますか?

クラウドPBXはインターネット上でPBX(構内交換機)機能を提供するサービスです。物理機器の設置が不要でスマートフォンやPCからも会社番号で発着信でき、テレワーク対応が容易な点が特徴です。ただしインターネット障害時は使用不可になるため、停電時も使える従来型PBXと用途に応じて選択します。

LAN配線工事はB工事とC工事どちらになりますか?

ビルの主配線盤(MDF室)から各フロアの幹線配線はB工事(ビル指定業者)になるケースが多いですが、フロア内の配線はC工事(自由業者)として処理できる場合があります。入居前にビル管理会社にB/C工事の区分を確認し、C工事部分を最大化することでコストを削減できます。

移転後にWi-Fiの電波が届かなかった場合はどうすればよいですか?

内覧時に実際に電波状況を確認することで事前に防げます。入居後に問題が発生した場合は追加のWi-Fiアクセスポイントの設置で対応します。事前にプロによる電波調査(サイトサーベイ)を実施してアクセスポイントの設置位置を設計することが最も確実な対策です。

テレワーク環境のセキュリティで移転時に見直すべきことは?

VPN設定の見直し・ゼロトラストセキュリティ(ZTNA)の導入検討・UTM(統合脅威管理)の新オフィス向け再設定・Wi-Fiの暗号化設定(WPA3推奨)とパスワード変更が主なポイントです。移転は情報セキュリティポリシー全体を見直す良い機会です。

参考・出典元

本記事の法律・制度・費用に関する記載は、下記の官公庁・行政機関等の公式情報を参考・根拠としています。

情報源資料・ページ名 / 参照内容
総務省電気通信事業法(通信インフラ・回線の法的規制)オフィスの通信回線・IT設備に関する法的根拠
経済産業省電気事業法(電気設備技術基準)オフィスの電気設備・受変電設備に関する規制の根拠
総務省 IPA(情報処理推進機構)中小企業の情報セキュリティ対策ガイドラインオフィスIT環境整備・セキュリティ対策の実践指針

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