公開日: 2026年04月08日
最終更新日: 2026年04月08日
EC・通販企業のオフィス選び|在庫・物流・バックオフィスの最適配置
- EC企業特有の「オフィス+物流」の複合的な拠点ニーズ
- 在庫管理・物流業務をオフィスと分離する判断基準
- カスタマーサポートの対応環境に必要な設備
- EC企業に向いているエリアと物流拠点の配置方法
- 成長フェーズ別の拠点戦略(小規模〜大規模)
EC・通販企業のオフィス選びは、一般的なビジネスオフィスとは異なる「物流・在庫・カスタマーサポート」という業務特性を考慮する必要があります。オフィスと物流拠点をどのように配置するかが、業務効率とコストを大きく左右します。
1. EC企業の拠点に必要な機能の整理
EC企業は売上拡大とともに、オフィス機能だけでなく在庫保管・出荷・返品対応などのオペレーション負荷が増えるため、一般的なバックオフィス中心の企業とは拠点設計の前提が異なります。まず自社に必要な機能を整理することが、オフィス選びの最初のステップです。
| 機能 | 必要な環境 | オフィスor倉庫 |
|---|---|---|
| 経営・企画・マーケティング | 標準的なオフィス環境 | オフィス |
| カスタマーサポート | 防音・ヘッドセット対応・個室ブース | オフィス |
| 在庫管理・梱包・出荷 | 倉庫スペース・荷物搬入口・フォークリフト | 倉庫・物流施設 |
| 撮影・コンテンツ制作 | スタジオスペース・採光・電源容量 | 専用スタジオorオフィス内 |
| 返品受付・検品 | 広い作業スペース・搬入出口 | 倉庫・物流施設 |
「月間出荷1,500件で梱包担当が2名いるけどまだオフィスで作業している」というEC企業のご相談をよく受けます。人件費と3PLの費用(商材・保管条件により変動します)を比較すると、3PLへの移行がコスト効率の面で優れるケースがあります(当社実務経験より)。オフィスの賃料削減まで含めると効果はさらに大きくなる場合があります。
2. オフィスとEC物流拠点の分離判断基準
スタートアップ期は一体型が効率的ですが、月間出荷数が増えると物流機能をオフィスから分離することが必要になります。
| 月間出荷数 | 推奨拠点モデル |
|---|---|
| 〜1,000件 | オフィス内に在庫・梱包スペースを設置(一体型) |
| 1,000〜5,000件 | オフィスと倉庫を近隣に別設置(分離型) |
| 5,000〜2万件 | 3PLまたは物流センターへのアウトソーシング |
| 2万件以上 | 専用物流センター+都心の戦略オフィスの2拠点体制 |
- EC企業が物流機能をオフィスに抱えている場合、1〜2名がほぼ毎日梱包・出荷に追われ、本来の事業開発ができないことがよくあります。
- 月間出荷1,000件を超えたら3PLへのアウトソーシングを真剣に検討してください。
- 固定費は増えますが人件費と生産性で十分に回収できます。
3. 通販会社・EC企業のカスタマーサポート環境の設計
インバウンドコールが多いEC企業では、カスタマーサポートの音環境が重要です。
ヘッドセット使用を前提とした静音エリアまたは個室ブースの設置
CRM・注文管理システムの安定稼働に必要なネットワーク環境
チャット対応と電話対応を同時に行えるマルチディスプレイ設置スペース
繁忙期(年末・セール時)に対応できる柔軟なレイアウト
D2Cブランドのお客様で「渋谷に拠点を持ちたいがコストが心配」というご相談があります。渋谷本体は高くても、徒歩10分の恵比寿・代官山・中目黒なら賃料が比較的抑えやすい傾向があります(当社実務経験より。物件・時期により異なります)。撮影・SNS発信の文脈では「渋谷エリア」と言えるエリアに入れることが重要で、必ずしも渋谷駅直近である必要はありません。
🏢 EC企業の拠点最適化を相談したい方へ
EC企業の拠点相談はこちら4. EC企業に向いているエリア
| エリア | 特徴 | 向いているEC企業 |
|---|---|---|
| 五反田・大崎・品川 | コスパ◎・物流アクセス良・IT系EC集積 | スタートアップ〜中規模EC |
| 秋葉原・浅草橋 | IT・物流近接・低コスト | 電子部品・アパレル系EC |
| 渋谷・恵比寿 | 採用力◎・D2Cブランド集積 | ブランド重視のD2C |
| 新宿・西新宿 | バックオフィス拠点・コスパ良 | 大規模CSセンター |
| 墨田・江東区 | 倉庫併設・物流アクセス最良 | 物流一体型EC |
5. 状況別ネクストアクション
| 🎯 あなたの状況別ネクストアクション | |
| オフィス内の在庫・梱包スペースが限界 | 月間出荷数と人件費を確認し、3PL移行のROIを試算。倉庫エリア(江東区・墨田区)の分室設置も検討 |
| CSセンターの音環境を改善したい | 防音ブース・個室対応のBクラス以上のオフィスに移転。セットアップ物件でコストを抑える |
| D2Cブランドのオフィスを渋谷に構えたい | 採用・撮影・ブランドの3機能を兼ねるオフィスを設計。渋谷Bクラス以上を検討 |
| 拠点を最適化したい | 現在の出荷数・人員・業務フローをオフィサイトに相談。最適な拠点配置を無料でアドバイス |
6. まとめ
EC・通販企業のオフィス選びは「物流機能との分離タイミング」「カスタマーサポート環境」「ブランドと採用力」の三点が核心です。月間出荷数の増加に合わせて拠点戦略を段階的に見直し、業務効率とコストの最適化を図ってください。
よくある質問(FAQ)
EC企業はいつオフィスと倉庫を分離すべきですか?
月間出荷数が1,000件を超えたタイミングが一般的な分離目安です。それ以下であればオフィス内の一角に在庫・梱包スペースを設けることで対応できます。1,000件を超えると専任スタッフが梱包・出荷に追われ、本来の事業開発に集中できなくなるため、3PL活用または倉庫分離を検討してください。
カスタマーサポートに適したオフィス環境とは?
インバウンドコール対応のCSチームには、①防音性の高い個室ブースまたは静音エリア、②ヘッドセット対応の電話システム、③CRM・注文管理システムの安定稼働ネットワーク、④繁忙期に対応できる柔軟なレイアウトが必要です。コールセンター用途のビルでは防音仕様の標準装備があるケースもあります。
D2Cブランドのオフィスに向いているエリアはどこですか?
渋谷・恵比寿・代官山が代表的です。ブランドのファン・採用候補者・メディアに「このエリアのブランド」という印象を与えることができます。撮影スタジオ機能を兼ねる場合は天井高3m以上・電源容量に余裕のある物件を選んでください。
物流アクセスが良いエリアはどこですか?
江東区・墨田区・荒川区などの城東エリアは物流拠点として優れています。首都高速・湾岸エリアへのアクセスが良く、大型トラックの搬入出が可能なビルも多いです。倉庫一体型のEC向け物件も多く存在します。
3PL(サードパーティロジスティクス)とは何ですか?
3PL(3rd Party Logistics)とは、在庫保管・梱包・出荷・返品対応などの物流業務を外部の専門会社に委託する仕組みです。EC・通販企業が成長するにつれて自社での物流対応が難しくなる場合に、3PLへのアウトソーシングが有効な選択肢となります。オフィスから物流機能を切り離すことで、バックオフィスの業務効率化と賃料コストの最適化につながるケースがあります(当社実務経験より)。
EC企業の事務所コストを最小化する方法は?
バックオフィス・CS機能は五反田・品川・秋葉原などのBクラスビルで賃料を抑えつつ、物流は3PL(アウトソース)でシェア倉庫を活用するのが最もコスト効率が高い組み合わせです。自前で倉庫を持つコストと比較すると、月商1,000万円以下の段階では3PLが大幅に安くなります。
参考・出典元
本記事の法律・制度・費用に関する記載は、下記の官公庁・行政機関等の公式情報を参考・根拠としています。
| 情報源 | 資料・ページ名 / 参照内容 |
|---|---|
| 経済産業省 | 電子商取引及び情報財取引等に関する準則EC企業の業務・オフィス環境に関する法的準則の参考 |
| 国土交通省 | 物流施設・倉庫の用途地域規制EC企業の在庫・倉庫設置に関わる用途地域規制の根拠 |
| e-Gov 法令検索(総務省) | 倉庫業法(倉庫の登録・業務基準)EC企業の倉庫利用・物流拠点設置の法的根拠 |
EC企業の拠点最適化は、業種・出荷数・人員構成によって最適解が大きく異なります。自社に合った判断が難しい場合は、気軽にご相談ください。





