公開日: 2026年03月31日
最終更新日: 2026年04月05日
オフィスの縮小・ダウンサイジングを検討している企業へ|費用・手順・判断基準
- オフィスの縮小・ダウンサイジングを検討すべき5つのサイン
- 縮小移転の費用(原状回復・敷金・移転費)の試算方法
- 社員への影響を最小化する縮小移転の進め方
- フリーアドレス・リモート併用での適正面積の再計算
- 縮小後の固定費削減シミュレーションと投資回収期間
テレワーク定着により、オフィスのダウンサイジング(縮小移転)を検討する企業が増えています。一方で「本当に縮小してよいのか」「費用は回収できるのか」「社員の反発はないか」と判断に迷うケースも少なくありません。縮小移転には原状回復費・移転コストというリスクもありますが、タイミングと手順を正しく踏めば固定費の大幅削減と組織のスリム化が同時に実現できます。本記事では縮小移転を成功させるための判断基準と実践手順を実務目線で解説します。
「在席率が40%を切っているのに100坪を借り続けている」というお客様のご相談を受けることがあります。月250万円の賃料を払い続けている場合、縮小移転の費用が1,000万円かかっても4ヶ月程度で元が取れる計算になります(モデルケース。物件・契約条件により異なります)。感情的に「もったいない」と思って維持するより、数字で判断することが経営の合理的な判断です。
1. ダウンサイジングを検討すべき5つのサイン
在席率が60%以下で毎日空席が目立っている(当社実務上の判断基準として)
月次の賃料が売上の15%(一般的な目安として)を超えている
リモートワーク出社率が40%以下で定着している
現オフィスの契約更新が1年以内に迫っている
採用計画を見直し今後2年の増員が見込めない
- 「勿体ない」という感情でそのまま広いオフィスを維持するのはコストの無駄です。
- 100坪・坪単価2.5万円のオフィスを50坪に縮小すると年間賃料削減は1,500万円。
- 原状回復・移転費用を合算した回収期間は6〜24ヶ月が多いです(当社実務上の平均レンジ。物件規模・賃料差により大きく異なります)。
2. ダウンサイジングの費用試算
| 費用項目 | 100坪→50坪の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 旧オフィス原状回復費 | 300万〜1,000万円 | 坪単価3〜10万円。内装程度による |
| 新オフィス敷金(6ヶ月) | 750万円(坪2.5万円×50坪) | 縮小で大幅に軽減 |
| 引越し費用 | 50〜100万円 | 縮小なので荷物量が減る |
| 新オフィス内装工事 | 0〜200万円 | セットアップ物件なら不要 |
| 二重家賃(重複期間) | 50万〜250万円(1〜5ヶ月分) | フリーレントe-Gov法令検索(総務省)借地借家法(賃貸条件の特約)で相殺できることも |
| 移転費用合計(概算) | 約1,000〜1,500万円 | 縮小効果で6〜24ヶ月での回収が多い(当社実務上の平均レンジ) |
3. 縮小後の固定費削減シミュレーション
| 条件 | 現オフィス | 縮小後(50坪) | 削減額 |
|---|---|---|---|
| 月額賃料 | 250万円(100坪×2.5万円) | 125万円(50坪×2.5万円) | 125万円/月削減 |
| 年間賃料 | 3,000万円 | 1,500万円 | 1,500万円/年削減 |
| 移転コスト(概算) | — | 1,000〜1,500万円 | 1〜1.2年で回収 |
縮小移転で最も後悔されるケースが「社員への告知が遅れて転職者が出た」です。特に人気のあるエースメンバーが「縮小=会社が危ない」と誤解して転職活動を始めることがあります。移転の目的を早めに・透明に伝えることが、優秀な人材を守る最大の対策です。
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縮小移転を無料相談する4. 社員への影響を最小化する進め方
縮小移転で最も多い失敗は「社員の反発・離職」です。移転先が通勤不便・環境が悪化したと感じると退職につながるリスクがあります。
Step 1:社員アンケートの実施(移転の6ヶ月前)
通勤許容範囲・出社頻度の希望・必要な設備を事前把握します。
Step 2:縮小の目的と経緯を透明に共有
「コスト削減のため一方的に縮小する」ではなく、「テレワーク定着を踏まえて最適化する」という前向きな文脈で伝えます。
Step 3:縮小後の環境向上セットで提示
面積は減っても「集中ブースが増える」「会議室が増える」「立地が改善する」など、プラス面を具体的に示します。
| ⚠️ | ⚠️ 注意 縮小移転を社員に告知するタイミングは「物件が決まってから」が原則です。移転先が未決定の段階で「縮小する」と発表すると、社員が不安になり先行して転職活動を始めるリスクがあります。 |
5. フリーアドレス導入で縮小をスムーズに
ダウンサイジングと同時にフリーアドレスを導入することで、座席数の削減を自然な形で進められます。ただし実施前に出社率の実態把握と集中スペースの確保が必要です。
フリーアドレス化と同時に席の「争奪戦」が起きると、かえって社員のストレスが増します。Slack連携の座席予約ツールを先行導入し、出社前に席が確保できる仕組みを整えてから移転するのが実務上の鉄則です。
固定席廃止で私物の置き場がなくなることへの不満が最大の離職リスクです。縮小後の新オフィスでは、社員1人につき1つのロッカーを確保することを最低条件としてください。物件選定時にロッカー設置スペースを確認することも重要です。
オープンフロアだけでは「集中できない」という声が必ず出ます。電話ブース・集中デスク・小会議室を合わせて全席の20%以上確保するのが、当社が実務上推奨している基準です。縮小移転の際にセットアップオフィスを選ぶと、個室や会議室がすでに完備されていてこの問題を解消しやすいです。
6. 状況別ネクストアクション
| 🎯 あなたの状況別ネクストアクション | |
| テレワーク定着でダウンサイジングを検討 | 出社率×人数で適正席数を算出。削減後の固定費削減額と移転コストの回収期間を試算 |
| 契約更新が近くコスト削減したい | 更新vs移転を総コストで比較。更新時の賃料再交渉も選択肢に |
| 社員の反応が心配 | アンケート→目的の透明な共有→環境改善セットの提示の3ステップで進める |
| 縮小後の物件を探している | セットアップ・フリーアドレス対応の物件を優先。オフィサイトに現状の坪数・希望を相談 |
7. まとめ
オフィスのダウンサイジングは、適切に進めれば年間数百万〜数千万円のコスト削減を実現できる経営改善施策です。社員への丁寧なコミュニケーション・出社率に基づいた科学的な面積設定・フリーアドレス導入を組み合わせて、縮小移転を成功させてください。
よくある質問(FAQ)
ダウンサイジングで社員が辞めることはありますか?
通勤不便な場所への移転・明らかに環境が悪化する縮小は離職リスクがあります。対策として①社員アンケートで通勤許容範囲を把握、②縮小の目的を透明に共有、③縮小後の環境向上(集中ブース・会議室増加など)をセットで提示することで、離職リスクを最小化できます。
テレワーク定着後の適正面積はどう計算しますか?
「週平均出社人数×3坪」が基本式です。出社率60%・20名チームなら12名×3坪=36坪が目安です。さらにフリーアドレスを導入すると席数を出社人数の80〜90%に設定できるため、実際の面積はさらに小さくできます。集中ブースと会議室を多めに配置することがポイントです。
縮小移転の費用はどのくらいかかりますか?
旧オフィスの原状回復費・新オフィスの敷金・引越し費用・内装工事費の合計が主な費用です。100坪→50坪の縮小では概算1,000〜1,500万円が目安です。ただし縮小後の月額賃料削減(月125万円/100坪→50坪)で1〜1.5年で回収できるため、長期的にはプラスになります。
現在の契約期間が残っている場合はどうすればよいですか?
契約期間中の中途解約は原則として違約金(残存賃料相当または数ヶ月分)が発生します。まず契約書の解約条件を確認し、次の更新期を目標に逆算して準備を始めることが基本です。ただし家賃交渉(減額)でその場で固定費を下げる選択肢もあります。
フリーアドレスと縮小は同時にやるべきですか?
同時に進めることで社員の抵抗が軽減される場合があります。「オフィスが小さくなった」ではなく「フリーアドレス化に合わせて最適な空間に変えた」と伝えることができるからです。フリーアドレス導入の準備(ロッカー・充電環境・予約システム)を縮小移転とセットで計画してください。
オフィス縮小は何ヶ月前から準備するべきですか?
移転希望日の6〜12ヶ月前から準備を開始することをお勧めします(当社実務経験より)。まず現オフィスの解約予告期間(多くは6ヶ月前)を確認するのが最初のステップです。物件探し・原状回復工事・内装・IT移設を含めると、余裕を持って動くほど費用を抑えやすくなります。
ダウンサイジングに向いている企業の特徴はありますか?
在席率が60%以下で定着している企業、テレワーク制度が恒久化した企業、固定費削減が経営課題になっている企業が縮小移転の効果を得やすい傾向があります(当社実務経験より)。逆に、採用強化中・来客頻度が高い・チームビルディングを重視している企業は縮小のタイミングを慎重に見極める必要があります。
オフィス縮小と模様替えでは、どちらが得ですか?
賃料削減を最優先にするなら縮小移転が有効です。模様替えでは固定費(賃料・共益費)は変わりません。一方で移転コスト(原状回復・保証金・引越し費)が不要な分、模様替えの方が初期支出は少ないです。在席率・賃料水準・移転コストをトータルで試算した上で判断することをお勧めします(当社実務経験より)。
参考・出典元
本記事の法律・制度・費用に関する記載は、下記の官公庁・行政機関等の公式情報を参考・根拠としています。
| 情報源 | 資料・ページ名 / 参照内容 |
|---|---|
| e-Gov 法令検索(総務省) | 借地借家法 第26条(建物賃貸借の更新)・第28条(更新拒絶等の要件)ダウンサイジング移転における解約・更新に関する法的根拠 |
| 国土交通省 | 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)縮小移転時の原状回復費用・範囲の考え方 |
| 総務省 | テレワーク・リモートワークの実態調査(出社率・オフィス需要)テレワーク定着後のオフィス縮小動向の参考 |
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