公開日: 2026年04月02日

最終更新日: 2026年04月04日

オフィス什器・家具は購入とリースどちらを選ぶべきか

オフィス什器・家具は購入とリースどちらを選ぶべきか
3〜7年什器リースの一般的な契約期間
総額は購入が安い長期保有ならリースより購入が有利
税務・会計処理リースと購入で大きく異なる
📋 この記事を読むとわかること
  • オフィス什器の購入とリースのコスト比較
  • リースのメリット(初期費用削減・固定費化・設備更新)
  • 購入のメリット(総額が安い・資産計上・柔軟な処分)
  • 税務・会計処理の違い(減価償却vs費用処理)
  • 什器ごとの最適な調達方法の判断基準

デスク・椅子・複合機・サーバーなど、オフィスの什器・設備の調達方法として「購入」と「リース」の選択があります。初期費用・月次コスト・税務処理・更新のしやすさが大きく異なります。本記事でどちらが自社に適しているか判断するための情報を提供します。

矢冨 裕敏(宅地建物取引士)のコメント

「複合機のリース料が高い気がする」というご相談を受けることがあります。リース料には保守費用が含まれていることが多いため単純な比較はできませんが、「月額リース料×60ヶ月」と「購入価格+5年間の保守費用」を比較すれば、どちらが得かは明確に計算できます。今の複合機リース契約書を取り出して計算してみてください。

什器・家具 購入 vs リース 判断基準 判断軸 購入が有利 リースが有利 初期費用 資金に余裕がある場合 月額分散で初期費用ゼロ 総コスト 長期使用で割安(1.2〜1.5倍差) 短期・頻繁更新なら差縮まる 税務処理 30万円未満は一括損金算入可 月額リース料を全額損金算入 設備更新の柔軟性 自由だが廃棄費用が発生 期間終了後に最新モデルへ更新 退去・解約リスク いつでも処分・売却できる 中途解約で違約金が発生 ▲ 上記は一般的な目安。税務処理の詳細は必ず税理士等の専門家にご確認ください。
▲ 什器・家具 購入 vs リース 判断基準の比較(一般的な目安。契約条件・企業規模により異なります)

1. 購入とリースのコスト比較

比較項目 購入 リース
初期費用 高(一括購入の場合) 低(初期費ゼロが多い)
月次コスト ゼロ(購入後) 固定(リース料)
総支払額 購入価格のみ 購入価格の1.2〜1.5倍程度(一般的な目安。契約条件により異なります)
所有権 テナント(資産) リース会社(所有)
設備の更新 廃棄・売却が必要 リース終了後に返却・更新
故障時の対応 自己負担 リース会社との契約による

2. リースのメリット・デメリット

メリット

  • 初期費用ゼロ:移転時のキャッシュアウトを大幅に削減できる

  • 固定費化:毎月一定のリース料で予算管理が容易

  • 設備更新が容易:リース期間終了後に最新機器へ更新できる

  • オフバランス(一部):会計基準によっては資産計上不要のケースあり

デメリット

  • 総支払額が購入より20〜50%高くなる

  • 中途解約に違約金が発生する(リース期間の残存リース料相当)

  • リース期間中は設備の仕様変更が難しい

3. 購入のメリット・デメリット

メリット

  • 総支払額が最も安い(長期保有の場合)

  • 所有権があるため売却・処分が自由

  • リース会社への依存がなく、いつでも廃棄・更新できる

デメリット

  • 初期費用が一括でかかりキャッシュアウトが大きい

  • 設備の廃棄・更新時に追加コストが発生

  • 陳腐化した設備を廃棄するタイミングの判断が必要

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4. 税務・会計処理の違い

項目 購入 ファイナンスリース(旧リース) オペレーティングリース
資産計上 有形固定資産として計上 資産計上(所有権移転あり) 計上不要(費用処理)
減価償却 法定耐用年数で償却 リース期間で償却 なし
月次の費用処理 減価償却費 減価償却費+支払利息 リース料を全額費用処理
消費税 購入時に課税 リース料に毎月課税 リース料に毎月課税
💡 ポイント
  • 中小企業(資本金1億円以下)は「少額減価償却資産の特例」を活用することで、30万円未満の什器を一括損金算入できます(年間300万円上限)。
  • 30万円未満のデスク・椅子などは購入して一括費用処理する方が、リースよりも税務上有利なケースが多いです。
矢冨 裕敏(宅地建物取引士)のコメント

「30万円未満の什器は一括で費用処理できる」という少額特例を知らずに、デスク1台10万円をリースにしていたというお客様がいました。リースにすると総支払額が12〜15万円になり、購入より2〜5万円多く払うことになります。30万円未満の什器は購入で一括費用処理が経済的に有利なケースが多いです。ただし適用要件・上限額は年度により変更されることがあるため、必ず税理士等の専門家にご確認ください。

什器ごとの最適な調達方法 什器・設備 推奨調達方法 判断のポイント 🪑 デスク・椅子 (30万円未満/台) 購入(一括費用処理) 少額特例で全額損金算入可 🖨 複合機 リース推奨 保守込みリースが運用コスト低い 💻 PC・ノートPC (3〜5年更新) 購入(3〜5年更新) リースより総額が安いケース多い 🖥 サーバー・NAS 購入またはクラウド移行 リースより柔軟性が高い 🗄 大型什器(ロッカー・棚) 購入 長期使用で総額が安い ▲ 一般的な目安。税務処理の詳細は必ず税理士等の専門家にご確認ください。
▲ 什器ごとの最適な調達方法(一般的な目安)

5. 什器ごとの最適な調達方法

什器・設備 推奨調達方法 理由
デスク・椅子(30万円未満/台) 購入(一括費用処理) 少額特例で全額損金算入可
複合機 リース推奨 保守込みリースが運用コスト低い
PCノート・デスクトップ 購入(3〜5年更新) リースより総額が安い
サーバー・NAS 購入またはクラウド移行 リースより柔軟性が高い
大型什器(ロッカー・棚) 購入 長期使用で総額が安い

6. 状況別ネクストアクション

🎯 あなたの状況別ネクストアクション
移転時の什器コストを抑えたい まず中古什器の活用・セットアップオフィス物件の選択を検討。新規購入は30万円未満で一括費用処理
複合機のコストを最適化したい 現在のリース料・枚数単価・保守費用を確認し、3社で相見積もりを取得
キャッシュを温存したい 什器はリース化・敷金は保証会社活用で初期費用を最小化
税務処理の最適化を相談したい 税理士に什器の一覧を渡し、購入vsリースの税務上の最適解を確認

7. まとめ

什器・家具の購入vsリースは「30万円未満は購入(少額特例活用)・複合機はリース・PCは購入・大型什器は購入」が基本的な判断基準です。初期費用を最小化したいならリース、総支払額を最小化したいなら購入が有利です。税理士に相談して税務上の最適解を確認してください。

よくある質問(FAQ)

什器のリースと購入、どちらが総コストが安いですか?

5年以上の長期入居であれば購入が通常安くなります。リースは金融コスト(利率1〜3%程度が目安)が総支払額に上乗せされるケースが多く、長期では購入が有利になることが多いです(当社実務経験より。契約条件により異なります)。ただし初期費用の削減・月次費用の平準化・陳腐化リスクの軽減を優先する場合はリースが適しています。

中古什器を使うデメリットはありますか?

①外観に傷や汚れがある場合がある、②保証期間が短い・なし、③デザインの統一感が出しにくい、の3点がデメリットです。来訪者が多い執務エリア・受付・会議室は新品を優先し、倉庫・バックヤードは中古を活用するメリハリある使い分けが実用的です。

セットアップオフィスの什器は退去時どうなりますか?

物件によって異なります。①オーナー提供の什器はそのまま残して退去(原状回復は内装のみ)、②テナントが追加した什器は持ち出しまたは廃棄、が一般的です。契約前に「退去時の什器の扱い」を書面で確認してください。

什器の廃棄費用はどのくらいかかりますか?

オフィス什器の廃棄費用は規模によって異なります。椅子・デスク各20台程度であれば10万〜30万円が目安です(当社実務経験より。業者・地域・状態により大きく異なります)。中古什器買取業者に査定を依頼すると、状態が良ければ逆に費用なし・プラスになるケースもあります。引越し業者に廃棄を依頼するより専門業者の方が安くなることが多いです。

リース什器の中途解約はどれくらいの違約金ですか?

リース残存期間のリース料の60〜100%程度が一般的な目安とされています(契約内容により異なります。必ずリース契約書で確認してください)。5年リースで2年目に解約する場合、残3年分のリース料の60〜100%を支払う計算になります。リース期間を入居期間より短く設定することで、退去時に中途解約違約金が発生しないよう設計することが重要です。

参考・出典元

本記事の法律・制度・費用に関する記載は、下記の官公庁・行政機関等の公式情報を参考・根拠としています。

情報源資料・ページ名 / 参照内容
国税庁No.5702 リース取引についての取扱いの概要(法人税)什器リースの損金算入・税務処理の根拠
e-Gov 法令検索法人税法 第64条の2(リース取引の取扱い)法人税法上のリース取引の定義・売買取引とみなす規定の根拠
中小企業庁少額資産の特例(30万円未満の一括損金算入)什器購入時の少額特例(中小企業の節税)の根拠
📚 関連記事もあわせてご覧ください
▶ 賃貸オフィスの契約の流れ完全ガイド|申込みから入居まで全手順 ▶ 賃料・フリーレント・敷金を有利に交渉する方法 ▶ 賃貸オフィスの解約予告期間とは|早期解約・違約金・スケジュール管理

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