公開日: 2026年03月23日

最終更新日: 2026年03月24日

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30坪オフィスは何人が適正?
狭く感じる原因と失敗しない設計の考え方

30坪に20人は不可能ではない。ただし、設計力が問われるサイズです。面積の話ではなく、密度・動線・共用空間の設計で結果が変わります。

🕐 読了目安 約8分 🏢 対象:経営者・オフィス移転担当者

「30坪に20人は狭いのか」この問いへの答えは、面積だけでは出ません。

30坪に20人は、設計次第で成立する水準です。

ただし何も考えずに席を詰め込めば、圧迫感とストレスが生まれやすい人数帯でもあります。重要なのは坪数の大きさではなく、密度・動線・共用空間をどう設計するかです。

Key Point 30坪20人は「狭いか広いか」ではなく「設計力が問われるサイズ」です。
10〜15人 ゆとり重視 快適
15〜20人 標準運用 推奨ライン
20〜25人 高密度運用 設計必須
1

30坪という広さを整理する

1坪は約3.3㎡です。30坪は約99.17㎡、ほぼ100㎡の空間になります。1人あたり面積で逆算すると、30坪÷20人=約1.5坪です。この約100㎡の中に、デスク・椅子だけでなく以下のすべてを収める必要があります。

  • 会議室(一般的には最低1室・6〜10㎡程度が目安)
  • オンライン会議ブースまたは静音スペース
  • 主動線となる通路(一つの目安として全体の15〜25%前後)
  • 複合機・収納・ロッカー
  • 来客・受付スペース(必要な場合)
⚠️
デスクだけで計算すると必ず失敗します

30坪をフルに執務席として使えると誤解しがちですが、共用部・動線・会議スペースを差し引くと、執務エリアとして自由に使える面積は全体の半分台になるケースもあります。

2

なぜ30坪に20人で「狭い」と感じやすいのか

「計算上は20人入るはずなのに、実際はかなり窮屈に感じる」というギャップには明確な理由があります。原因の多くは、執務席だけで人数を計算してしまうことにあります。

特に30坪クラスでは、通路と共用部分の取り方が快適性に直結するため、机を何台入れるかだけで判断すると失敗しやすくなります。

圧迫要因 消費面積の目安 見落とされやすい理由
会議室 6〜10㎡(2〜3坪) 後で考えようになりがち
通路・動線 全体の15〜25% 席を詰めると削られる
収納・複合機 2〜4㎡ 入居後に置き場がなくなる
オンライン会議スペース 2〜4㎡/室 近年の必須要素だが後回しに
4

30坪20人を成立させる鍵は「密度設計」

オフィスを「何坪あるか」ではなく、どのような密度で使うかという視点で捉えることが重要です。次の3つを設計できれば20人でも十分に実用的なオフィスになります。

設計要素 内容 30坪での重要度
密度 在籍人数と同時在席人数を把握し、必要席数を正確に設計する 最重要
動線 すれ違い・会議室への出入り・複合機周辺の混雑を整理する 最重要
空間効率 会議室を集中作業やオンライン会議にも兼用するなど多目的設計 重要

この3つを押さえると、30坪は単なる狭い箱ではなく、目的に応じて密度高く使えるオフィスへ変わります。

30坪20人を成立させる4つの条件

①会議室を最小化 ②フリーアドレスまたは一部共用席で席を最適化 ③ペーパーレス化・壁面収納活用で収納削減 ④メイン通路120cm以上を確保した動線設計

5

レイアウト別|30坪の適正人数の目安

30坪で20人を運用する場合、レイアウトの選択は席数以上に重要です。配置によってコミュニケーション・集中環境・心理的な広さが変わります。

レイアウト 適正人数の目安 特徴・向いている企業
固定席(スクール型) 15〜18人 最も安定するが席数は増やしにくい。事務・バックオフィス中心の企業に向く
アイランド型(チーム型) 15〜20人 部署単位でのやり取りが多い企業向き。バランス型だが音の干渉に注意
フリーアドレス型 20〜25人 最も人数を増やせる。ハイブリッドワーク導入企業に有効。運用ルールが必須
ラウンジ型 12〜18人 来客・コミュニケーション重視。席数は減るが空間の印象価値が上がる
ブース型(集中席) 15〜20人 オンライン会議が多い企業向き。音・視線のストレスを下げ働きやすさを確保
⚠️
フリーアドレスは「省スペース」手段ではない

フリーアドレスは機能の再配分を行う仕組みです。個人ロッカー・Web会議ブース・集中席など新たに必要になる設備があります。運用ルールなしに導入すると固定席化しやすくなります。

6

通路設計が体感の広さを変える

30坪クラスのオフィスでは、通路幅の設計が体感の広さを左右します。

80cm前後
最小限(1人通行)
120cm前後
推奨(往来しやすい)
160cm前後
余裕あり(すれ違い快適)

30坪すべてに広い通路を取るのは現実的ではありませんが、入口から執務室への主動線・会議室前・複合機周辺など混雑しやすい箇所だけでも余裕を持たせると、窮屈さの印象は大きく和らぎます。

また、柱まわりや変形部分を無理に執務席にしないことも重要です。受付・収納・簡易打ち合わせスペースに転換したほうが、全体の視覚的な広がりを保ちやすくなります。

7

出社率を見直すと、30坪は一気に使いやすくなる

在籍人数と同数の席を持つ前提が崩れつつある今、出社率の把握が30坪設計の鍵になります。20人在籍でも平均出社率が60%前後なら、常時必要な席数は12席前後です。

20人在籍・出社率 常時在席人数 必要席数の目安 評価
100%(全員毎日出社) 20人 20席以上 固定席必須・余裕なし
80% 約16人 18席程度 やや改善
65%前後 約13人 15〜16席 推奨ライン

余ったスペースは、1人用集中ブース・簡易ミーティングスペース・リフレッシュエリア・来客対応コーナーなどに転換できます。

💡
30坪が「狭い」と感じる本質

30坪を狭いと感じる会社ほど、面積不足よりも「全員分の固定席を当然とする前提」がボトルネックになっていることがあります。まず出社率の実態把握が改善の第一歩です。

8

収納を減らすだけで、30坪の見え方はかなり変わる

30坪オフィスでは、家具や収納が空間を圧迫しているケースも少なくありません。特に床置きキャビネットや大型書庫は、視線を遮るだけでなく通路や抜け感まで奪います。

  • 書類の電子化を進め、紙資料の保管量を減らす
  • 個人キャビネットを減らし、ロッカーに集約する
  • 壁面収納を活用して床面積を解放する
  • 複数用途で使える家具を選ぶ

オフィスを広くする最短ルートは、必ずしも面積を増やすことではありません。余計なものを減らし、空間の抜けを作ることが即効性のある改善策になることもあります。

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よくある失敗パターン

30坪20人で失敗しやすいのは、人数の問題というより設計前提の置き方です。

❌ 失敗パターン

  • 20人入るとだけ考えて契約する
  • フリーアドレス導入で固定席化してしまう
  • 出社率を読み違える
  • 収納・会議室・動線を後回しにする
  • 現在人数にぴったり合わせた設計にする

✅ 成功のポイント

  • 現在人数×1.2〜1.3で設計する
  • 出社率の実態を把握してから席数を決める
  • 共用部・通路を最初から確保する
  • 収納計画をレイアウトと同時に考える
  • 運用ルールとセットでフリーアドレスを導入する
⚠️
実際によくある失敗:半年後に会議室不足

15人規模で設計したオフィスに採用強化で5人追加した結果、会議室が慢性的に不足し動線も機能しなくなるケースは少なくありません。現在人数ではなく、1年後の組織規模で設計することが重要です。


まとめ|30坪20人は「狭い」のではなく、設計力が問われるサイズ

30坪に20人は、決して不可能な条件ではありません。ただし、何も考えずに席を詰め込めば、圧迫感やストレスが生まれやすい人数帯です。

15〜20人 最もバランスの良いライン 推奨
20人 設計次第で成立 条件あり
25人 高密度・出社率調整必須 上級者向け

固定席前提で全員が毎日出社するなら慎重な設計が必要です。一方で、出社率を見直し共用席や集中席を組み合わせれば、30坪でも十分に機能的で快適なオフィスをつくることは可能です。

Q

よくある質問(FAQ)

30坪オフィスの人数・設計に関してよく寄せられる4問に回答します。

30坪に20人は狭いですか?

ややタイトですが、設計次第で十分成立する水準です。会議室・通路・収納・オンライン会議スペースをどう組み込むかで快適性が大きく変わります。

固定席とフリーアドレス, どちらがよいですか?

出社率によって判断が変わります。全員が毎日出社する場合は固定席の方が安定します。出社率が70%以下であれば、フリーアドレスの方が空間効率は上がりやすいです。

30坪で会議室は作れますか?

作れます。ただし1室に絞るのが現実的です。4〜6名用の会議室を1室確保し、オンライン会議はブース型の簡易スペースで対応する構成が使いやすいです。

将来の増員を見込むなら何人で設計すべきですか?

現在の人数×1.2〜1.3倍を想定した設計が推奨されます。ギリギリ設計は入居後6〜12ヶ月で機能しなくなるケースが多く、再移転コストのリスクがあります。


矢冨 裕敏 オフィサイト不動産コンサルタント
この記事を書いた人
矢冨 裕敏
課長 / 不動産コンサルタント・アドバイザー
宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・管理業務主任者・敷金診断士

不動産業界16年のキャリアを持ち、宅建士・賃貸管理士・管理業務主任者・敷金診断士など8種の専門資格を保有。オフィスビルの収益改善・プロパティマネジメントから相続財産評価まで多角的な視点で不動産の価値最大化を支援。オフィサイトでは不動産コンサル・オーナー向け情報に関する記事の執筆・監修を担当。

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