公開日: 2026年04月13日

最終更新日: 2026年04月13日

採用強化のためのオフィス移転とは|立地・内装・ブランドが応募数に与える影響を解説

オフィス移転が採用力に与える影響を検討するビジネスパーソンのイメージ

※本記事は賃貸オフィス実務16年・累計1,000件以上の契約実績を持つ専門家が監修しています。

本記事は、採用強化・人材獲得を目的としたオフィス移転を検討している経営者・人事・総務担当者向けに、移転が採用力に与える影響を実務ベースで検証しています。本記事では採用効果を「応募数・応募層の質・内定承諾率」の3点を中心に整理します。

立地・交通採用応募に影響する最大要因
ビル格・内装内定承諾率に影響するケースも
3〜6か月移転後の採用効果が出始める目安
📋 この記事でわかること
  • オフィス移転が採用に与える影響の全体像
  • 採用効果が出やすい立地・エリアの条件
  • ビルグレード・内装・設備が内定承諾率に与える影響
  • 採用目的の移転で失敗しないための注意点
  • 採用効果を最大化するオフィス選びのポイント

移転が採用に与える影響の全体像

オフィス移転が採用力に影響を与えることは、オフィサイトの仲介実務でも実感しています。ただし「移転すれば採用が改善する」という単純な因果関係ではなく、立地・ビルグレード・内装・採用広告への活用方法が組み合わさって初めて効果が出ます。

オフィス移転が採用に影響するフロー ① 応募数・質への影響 ・駅近・主要エリアで  応募数が増えやすい ・求人票にオフィス写真  を掲載すると効果的 ・通勤時間短縮が応募  ハードルを下げる ② 選考・内定への影響 ・オフィス見学で候補者  の入社意欲が変化 ・ビルグレードが会社の  信頼感に影響 ・清潔感・設備が  評価される ③ 内定承諾・定着への影響 ・立地・通勤利便性が  内定承諾率に影響 ・働く環境の質が  定着率に直結 ・リファラル採用の  質が上がりやすい ※効果の大きさは業種・ターゲット層・移転前の状況により個別に異なります
▲ オフィス移転が採用プロセスに影響するフロー(オフィサイト実務経験をもとにした整理)

採用効果が出やすい立地・エリアの条件

採用への影響が最も大きいのは立地・交通アクセスです。厚生労働省の雇用動向調査でも、離職理由として「労働環境・通勤条件」が上位に挙がっており、勤務地条件が入職・離職の判断に影響しやすいことが示されています。オフィサイトの実務経験でも、通勤利便性の改善により応募層が広がるケースが多く見られます。

採用効果が出やすい立地条件

条件採用への効果特に有効な職種
主要ターミナル駅から徒歩5分以内応募数が増えやすく、遠方からの応募も得やすい全職種・特に営業・エンジニア
複数路線が使える駅居住エリアが限定されず応募層が広がる全職種
ターゲット層の居住エリアに近い通勤時間短縮が応募ハードルを下げるエンジニア(城東・城西方面)
ブランドエリア(渋谷・表参道・丸の内等)クリエイティブ・IT系人材に響きやすいデザイナー・エンジニア・マーケター
宅地建物取引士のコメント

採用目的でエリアを選ぶ際、「どんな人材を採りたいか」を最初に決めることが重要です。エンジニアなら城東・城西方面からの通勤を考慮し秋葉原・渋谷周辺が有効なケースがあり、営業職なら新宿・品川のような交通利便性が高いエリアが応募層を広げやすいです。ターゲット層の居住地分布を人事と事前に確認してから移転先を選ぶ企業が増えています。

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ビルグレード・内装・ブランドの採用効果

立地の次に採用に影響するのがビルのグレード・内装・オフィス環境の質です。特に選考過程でオフィス見学が行われる場合、候補者の入社意欲に直接影響するケースがあります。

採用に影響するオフィスの要素

要素採用への影響注意点
ビルグレード(Aクラス・基準階面積)会社の安定感・信頼感を伝えやすい。特に金融・コンサル・士業系で有効賃料が高くなるため費用対効果を確認する
内装・デザインクリエイティブ・IT系では「どんな会社か」を視覚で伝える効果が高い内装工事費が高額になる可能性あり
清潔感・整理整頓見学時の第一印象に直結。グレードより影響が大きいケースも日常的な環境管理が必要
休憩・リフレッシュスペース働きやすさを視覚的に伝えられるスペースを確保する分、執務面積が減る
会議室の数・設備面接環境として重要。「きちんとした場所で話せる」安心感を与える稼働率との兼ね合いを設計する
POINT オフィサイトの実務経験では、ビルグレードより「清潔感・整頓されているか」の方が候補者の印象に影響するケースが多いです。高級ビルに移転しても内部が雑然としていると逆効果になることがあります。

採用効果が出にくいケース・失敗パターン

移転によって採用力が改善するケースがある一方、期待した効果が出ないケースも少なくありません。以下の失敗パターンを事前に把握しておくことが重要です。

失敗パターン原因対策
移転したのに採用広告に活用しないオフィス写真・住所変更を求人票に反映しない移転直後に全媒体の情報を更新し、オフィス写真を積極活用する
採用ターゲットと立地がミスマッチエリアの「ブランド感」だけで選び、通勤実態を考慮しないターゲット層の居住地分布を確認してから移転先を選ぶ
賃料増加で採用予算が圧迫される高グレード化で固定費が増え、採用費・給与予算が減る移転による採用効果と固定費増のトレードオフを試算する
内装に予算をかけすぎて運転資金が薄くなる採用強化のため内装に過剰投資するセットアップ・居抜き物件の活用で初期費用を抑える
移転後の社員定着率が改善しない通勤が遠くなった既存社員が離職する移転前に既存社員の居住地・通勤状況を確認する
⚠️
採用目的の移転で最も多い失敗は「賃料上昇→採用予算圧迫→採用力低下」という逆効果です。移転によるコスト増と採用効果を事前に試算し、トータルでプラスになるかを確認してから判断することが重要です。

採用効果を最大化するオフィス選びのポイント

採用力を高めるオフィス移転を成功させるには、以下のポイントを意識して物件選びと準備を進めることが重要です。

移転効果を採用成果につなげる情報発信のポイント

移転そのものより、移転をどう採用広報に変換するかが採用成果の差になりやすいです。以下の情報発信を移転直後に一括で実施することをお勧めします。

  • 求人票の勤務地・最寄り駅表記を更新する(全媒体)
  • 採用サイトのオフィス写真を新オフィスに差し替える
  • 面接案内メールにアクセス利便性・周辺環境を記載する
  • 会社説明資料(採用ピッチ)に執務環境・社員の働き方を追加する
  • SNS・プレスリリースで移転を対外的に発信する
採用効果を最大化する5つのポイント

① 採用ターゲットの通勤動線を事前に確認する

採用したい人材の居住エリアを人事と確認し、そこからの通勤利便性でエリアを絞り込む

② 求人票・採用サイトに移転情報を即反映する

移転直後に全媒体の住所・オフィス写真を更新し、新オフィスを採用ブランディングに活用する

③ 見学動線(エントランス→会議室)を整える

候補者が見る動線を清潔・整頓に保ち、会社の文化・雰囲気を視覚的に伝える工夫をする

④ 既存社員の通勤影響を事前確認する

採用強化のための移転が、既存社員の離職につながらないよう事前にヒアリングする

⑤ 初期費用を抑えて採用・給与予算を確保する

セットアップ・居抜き物件の活用で内装工事費を削減し、採用費・給与水準に回す

採用力強化と合わせて、移転後の社員定着率向上も重要です。オフィス移転後の社員定着率を上げる方法もあわせてご参照ください。また移転の失敗例と対策についてはオフィス移転の失敗例7選もご参照ください。

よくある質問

採用に強いオフィスの立地条件とは?移転後いつから効果が出ますか?
移転直後に求人票・採用サイトの情報を更新した場合、応募数への影響は1〜3か月程度で出始めるケースが多いです。ただし内定承諾率や定着率への影響は3〜6か月以上かかることが一般的です。移転と同時に採用広告・リファラル採用の活性化を行うことで効果が出やすくなります。
採用強化のためのオフィス移転でおすすめのエリアは?
採用したい職種・層によって最適なエリアが異なります。エンジニア・デザイナーなら渋谷・恵比寿・秋葉原・神田周辺、営業・バックオフィスなら新宿・品川・大手町のような複数路線が集まるターミナル駅周辺が効果的なケースが多いです。ターゲット層の居住地分布を事前に確認してから候補エリアを絞り込むことをお勧めします。
オフィスのグレードは採用に影響するか?費用対効果はどう考えるか?
業種によります。金融・コンサル・士業系では高グレードビルが「会社の信頼感」を伝える効果があります。一方IT・クリエイティブ系ではビルグレードより内装のデザイン性や働きやすさの方が重視されるケースが多いです。グレードアップによる賃料増と採用効果のトレードオフを試算した上で判断することをお勧めします。
採用強化のためのオフィス移転と、コスト削減のための移転は両立できますか?
セットアップ・居抜き物件を活用し、初期費用(内装工事費)を大幅に削減しながら好立地に移転する方法が有効なケースがあります。内装費を抑えた分を採用費・給与水準の改善に充てることで、両立が可能になるケースがあります。ただし立地・物件の条件次第のため、個別にご相談いただくことをお勧めします。
採用目的の移転で、既存社員への影響を最小化するにはどうすればよいですか?
移転前に全社員の居住地・通勤状況を確認し、通勤時間が大幅に延びる社員に対して事前に通勤手当の見直しや在宅勤務の組み合わせを検討することが重要です。採用強化のための移転が既存社員の離職につながると逆効果になります。詳しくは移転後の社員定着率を上げる方法をご参照ください。
オフィス見学で候補者に良い印象を与えるにはどうすればよいですか?
ビルグレードより「清潔感・整頓状態」の方が印象に影響するケースが多いです。エントランスから会議室への見学動線を整備し、会社の文化やチームの雰囲気が伝わるよう工夫することが有効です。また面接担当者が移転の背景・会社のビジョンを自然に話せるよう準備しておくことも重要です。
採用力向上を目的にした移転の判断基準はありますか?
以下を確認することをお勧めします。①移転後の月額賃料増加分で何名分の採用コストが賄えるか、②現在の採用課題が「立地・アクセス」に起因しているか(採用担当へのヒアリング)、③ターゲット層の居住地分布からみて移転先の通勤利便性が向上するか。これらがすべてプラスに転じる場合、採用目的の移転は有効な戦略になりえます。

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📎 参考・出典元

情報源資料・根拠
厚生労働省令和5年雇用動向調査結果の概要採用・離職動向の参考データとして参照
オフィサイト仲介実績採用目的のオフィス移転に関する社内調査・実務経験(目安)

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